住まいの心理学(retour&kagewari)

「部屋」フロイドの象徴化はどうかと思う部分もあるけれど、、
少なくとも水周りなどのイメージは「国や文化の違い」であることは間違いない。
共同幻想のなだらかな崩壊過程にある最先端都市『東京』で、
心理学に基づいた「暮らし方」なるものを考えてみたい。

「SPAMメール対策強化週間」

2008年02月19日(火) - トラックバック[0] - コメント[2] - 部屋探しの心理学

みなさんもご苦労されているのじゃないかと思いますが、『SPAM対策』どんな対策されてますでしょうかー
世の中じゃこんなニュースや
迷惑メール、罰金30倍の3千万円に 総務省が法改正案
あんなニュースも飛び交ってますが
迷惑メール"22億通"送信した男を逮捕 - 手数料2,000万円荒稼ぎ
"ボットネット"による汚染が深刻化、ロシア発のスパム急増 - ソフォス調査
(多いっすよほんと、ロシア)

会社含めて個人で立ち上げているサイト管理を複数やっているので、これが又頭の痛い問題で、HPやブログで代表アドレスを非公開にしちゃ信用上問題だし、クローラー型のアドレス取得ソフトなんかで簡単にアドレスもサルベージされちゃうワケです。
メジャーなドメインで利用しているアドレスは当然IDランダム作成ソフトみたいなので逆算されてしまい(来る来る”Toのアドレス違う”メール)、非公開でも「妙に長いID」でもしないと阻止できない。

webの管理やっている立場とすると「代表アドレスは代表アドレス」みたいに割り切って運用しなくちゃいけない部分もあるし、フォームメール系の奴はSPAM系のソフトでサルベージされないように注意も必要になってきます。

対策は『学習型SPAM判定ソフト(メーラーの設定で自動的にゴミ箱行き)』とメーラーに実装されているフィルターになる(別途ファイヤウォール+メール専門のセキュリティーは常識として実装済)。
判定はほぼ完璧だし、メーラーも直接ゴミ箱に入ったメールは新着表示しないように設定しているので、ほぼ問題無しと言えば問題無しなのだけれど、
フィルターの運用上ちょっと複合的にシステム利用していたので、某webメールの迷惑メールフォルダを週に1回2000件近く目視してから削除しなくちゃいけなかったり(拒否設定など満額でパンクしていても)、確かにここでストップかけるのでシステム上の負担は軽くなるんだけれど、転送かけている元のメールBOXにはSPAMが溜まってしまうのも困ると(時々こっちも着信メンテナンスするのだけれども1000通単位となるとこれまたシステムへの負担にもなる)。
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『五反田・高輪』ホーマットキャピタルへ(3)

2008年02月16日(土) - トラックバック[0] - コメント[0] - 東京建築日和”Teorema”

ドーンと回り込んでいくと、そこにそのマンションがあります。
高輪ヒルズ:築1973(S48)年、施工鹿島建設

とにかくデカイ
とてもRICOHGXの28mmに入りきらないというか、、
高台の上にあって、前景を捉えられないんですね。
ま、見るからに庶民を寄せ付け無いほどの雰囲気漂ってます。

ここから大返しして”ピーポー高輪”を通過明治学院を裏手に旧商店街を北上し白金台へ

この辺暮している人でまー知らない人はいませんな。
この素晴らしい建築


これが、私がこの近隣のお部屋を紹介した入居者の方が名付けた”ピーポー高輪”こと(お迎えが港区高輪署なのでここはダブル”ピーポー”なんですこれが)

「高輪消防署」
「署防消輪高」になっているほどの古さ
はーっと、見とれている場合じゃありません。日が暮れてきてますっ
今回のテーマ「ホーマットキャピタル」へ急ぎましょう。
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『五反田・高輪』ホーマットキャピタルへ(2)

2008年02月15日(金) - トラックバック[0] - コメント[0] - 東京建築日和”Teorema”

品川駅方面へ坂を下ると


パレス高輪:築1970(S45)年、施工鹿島建設


この低層建築マンションには独特の雰囲気があって、
幅の広い”低層さ”が高級感になっているんですね。


小高い丘のようなところに建っていて、この地区から品川駅を見下ろすとこんな感じ


これまたグルッと回って(今回の取材ではこの動作が非常に多いんです)、品川駅前に一度タッチしてからホテル群が立ち並ぶ方向に向かいます。
スロープを登っていくと、
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『五反田・高輪』ホーマットキャピタルへ(1)

2008年02月14日(木) - トラックバック[0] - コメント[0] - 東京建築日和”Teorema”

さぁお待たせしました流浪の建築巡り”Teorema”、
あえて地域の呼称を『五反田・高輪』としています。
レポートは3回構成で、今回はプロローグです、
ここはですね、再三各所で「五反田は高輪と連続性を持つ形で一つの地域を形成する」と私が発言してきた持論からでありまして、ここにはいくつかの根拠があります。

地元を良く知る人なら高輪でも本当の高輪の最寄は「白金高輪駅ではない(白金高輪駅は北端に近い)」、白金台となると決して近隣全てが暮しやすい開発が行われていると言えないけれどそのイメージは目黒系と外苑西通り東とに別れていて後者は五反田・高輪地域と見てもいい、実質的には東急とJRの共同管理である五反田駅を東急があのままにしておく筈が無い、工業系のイメージのある大崎との連続性はどうしても一部分となるので(大崎の暮しやすい地域は五反田西東急エリア戸越銀座方面)高輪を中心に品川・五反田を結ぶラインがコアとなり目黒川沿いの”郊外”が新興タワー系の主戦場となる。

ここは現実世界もそんな風に動いておりまして
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五反田再開発ニュース
【品川】五反田駅近接で東五反田二丁目第2地区再開発事業を計画している東五反田二丁目第2地区市街地再開発組合(渡邊佳英理事長)は、今月末から10月初旬に都に権利変換計画書を提出したい意向で、地権者からの権変同意獲得に向け作業を進めている。組合では事業費やスケジュール、施設規模など若干の事業計画の変更を考えており、権変申請前に事業計画変更を申請する予定だ。2006年度末から除去工事、07年に本体工事に着手し、3年間で完成させる予定だ。
(建築ニュース2006/9/5)

東京・五反田、イカした街に
2008年は東京・五反田(品川区)がニュー・トレンディー・スポットに?! 東急電鉄とJR東日本が来春、五反田駅に直結した複合商業施設を相次いで開業することが30日、分かった。東急電は4月に池上線・五反田駅の駅ビルを全面改装し、若い女性をターゲットにした32店舗のショッピングセンター(SC)をオープン。JR東は3月に、山手線の同駅西側にカフェなど飲食店を中心とした「アトレ・ヴィ五反田」を開業する。
(FujiSankei Business i. 2007/12/31)

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正に東京銀座方面の復興に合わせて、都心を考える上で”広尾越え渋谷外し”的な流れの方が本筋なんだと思うんですね(既に青山や麻布中心の地域は独立した存在だし現在私鉄沿線上に伸びる雰囲気は無い→関東地区では築30年以上の往年の名作マンションの8割が23区内ド・都心に集中している)。そのファンダメンタルから関連する周辺の整備として見ると『五反田は最有力』な駅になり(有楽街の今後も重要なキーであるのは言うまでもないところです)巨大な商圏を背景にした街づくりの可能性が非常に高い(品川駅西側は高級ホテル群なのでショッピングモールを形成する地場が無い)、
私の個人的な見解ですが「五反田は早晩恵比寿を超える」と見ています。
ここで東急がどう動くのかってところで、上記の五反田駅再開発のニュースが入ってきたと。

な感じでですね、高輪に行くには”五反田から”と、こうなるワケなんです(笑
前置き長いから、、
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地域格差とデジタルデバイドから見る都会の風景

2008年02月12日(火) - トラックバック[0] - コメント[0] - 部屋探しの心理学

「地域格差」んていうとすっかり経済政策の論議で登場するキーワードになってますが、事インターネットの利用って側面にこそ地域格差があるんです。
これはなかなかそういったニュースや世論調査のDATAが無いので、ついニュースの社会面に登場する地方の携帯サイトがらみの事件から「最近は地方でものどかで平和なイメージが、、」とかなんとかな話からすっかりインターネットの利用は地方でもどんどん促進中にも思われがちですが、実際事実上ネット系の仕事している立場からの様々な経験やいろんな人の話を総合すると「携帯はともかくPCでのインターネットの利用には明らかに地域格差がある」という感触が非常に強い。

参考例に通信エリア都心や各地域の都市部のみで開業した『イーモバイル』(実質上PCモバイル通信専業)が、通信エリアの狭さを全くハンデとせずに契約者を伸ばしているという実例があります。
ここは上記の感触と一致するんですよ。
思うにですね『PC=パーソナル』ですよね、
当然個人主義的なライフスタイルそのものが都市部中心になるのは予想されるのであって、「パーソナルって概念そのものが都市部と地方では違っているのじゃないか?」という話ですよ。地方の場合パーソナルな枠として「携帯はありだが、PCでインターネットの利用となるとライフスタル的になかなか定着し難い」な部分あるんじゃないでしょうかね。
家庭内のLANで各室にPCあれば何ですけれど、リビング近くにPC1台だとこれ「何かと遠慮しがちで利用しにくい」っすよね、しかもPC使ってネット見ていると家人と話を共有できないし話し掛けられても困ったりする。
かといって、リビングのメインモニター使ってファミリーでweb見るなんて僕らでもちょっとリアリティー無いですもの。
ブラウザの利用そのものが”個人用途”の色彩が濃い
ったって、パーソナルコンピューターなんだし、

このライフスタイルの差がそのまま「地域格差としてのデジタルデバイド」になっているような気がします。
ここいらへんって、爆発的に普及しているパーソナルゲーム機がまんまネット対戦モードをデフォルトとしてモバイル通信カードを実装し「web閲覧マシン化」して初めてブレイクするようにも感じます(スマートフォンや携帯7.2M通信だけじゃまだ弱いでしょう)。
PC自体が都市部向きのハードなんじゃまいかと、
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googleとMSの戦いが本格化しておりますな

2008年02月08日(金) - トラックバック[0] - コメント[0] - 部屋探しの心理学

Googleの本当の狙いはMicrosoftの妨害?
MSを走らせたのはGoogleとYahoo!の“Outlook対抗馬”?
このブログでは、住まい以前にそもそもブログ含めてメディアそのものの在り方を時々書いているんだけれども(そんなレポートの関係でサイドバーのブログ内検索機能もMSとgoogle二頭立てになっております)。

こりゃ大変な戦いですよ。日本における『IT業界VS放送局』のスケールじゃない(こっちは広告代理店の寡占状況含めた戦いなので意味合いが違っている部分ある)。
飛び交う金額は米国の株安尻目にとんでも無い額になるでしょう。
元々googleが「ブラウザささえ起動すればOSは必要無いのでは無いか」的な方向に舵を切って依頼MSとの戦いは半端なものじゃなくなっている。
実際WindowsVistaなんぞを使う気も無いし、IE7ですら問題多い等MSの周辺では「大丈夫なのちょっと」な状況が拡大中でブラウザひとつとっても(SleipnirやらFirefoxやらOperaの方が安心感がある)、IE使うってのもなぁな状況にある。

ここで、webにおける広告市場の拡大と今後予想されるOS代替的サービス(モバイル通信の進化で現在マシンがオフラインで動作する事は考え難い状況にある)の拡大、企業内のセキュリティーレベルの上昇に伴う「家庭PCの必要性への疑問」と「スマートフォンの拡大」これねぇ、MSが感じている危機感が相当な状況にあるのは間違い無く、Yahoo!買収を機にこれまでも”重くなるばかりが取り得のOS開発”それを見直してくれれば大助かりなんだが、
(当然今後企業が内部書類持ち出し管理上社内からgmailに対するアクセス規制にかかる可能性もあるのでgoogleにとっては企業内メール管理クライアントの設計とgmailとの連携はビジネス上の鍵にもなる)
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郊外の賃貸住居の賃料がかなり下がってきている

2008年02月07日(木) - トラックバック[1] - コメント[0] - 部屋探しの心理学

以前に人口動向の記事書いたことあるんだけれども、
http://blog.smatch.jp/kagewari/archive/22
いよいよ連動して郊外の賃貸住居の賃料が下がり始めている。
実際こうなってくると以前のレポートの反対意見も是非自分で言ってみたい(笑

ヴァリエーション豊かになりつつある都心の住宅事情を背景に(ペット可を探すにも間違い無く選択枝は都心部の方が多い)、郊外の賃料の下げはかなり急速に進行中で(それでも部屋の内容を保持する意味でもいたずらに賃料を下げるとスラム化等の危険があるのでここには限界もある)、契約金込みで考えても「住み替えた方が得なのじゃないか?」な傾向が見え始めた。

ここも誤解の無いように認識して欲しいんだけれど、
「更新」ってのがありますね。
そして全ての契約書では「更新時に賃料が変わる事があります→貸主借主合意の上」な一文読み上げられた記憶があるのじゃないかと思います。
重要なのは「貸主借主合意の上」ってところで、どうにも自分の契約内容だと相場からみて引越した方が得ではと決断し、ほぼ解約の意志が明確であれば、この点を管理会社さんに相談可能なのです。
ある意味「解約が前提」となっているんですから、そこで条件面的に折り合いがつかない場合には解約して部屋探しを開始すればいいのであってここは電卓片手にどっちが得かよく考えて妥当な線(他の部屋に引っ越す方が当然礼金部分や引越しの手間等コスト造になる)で「更新時に賃料交渉的打診をする事も可能なのです」。

これ全部が全部じゃないですよ、
(そういう意味でも専任媒介の物件の方が何かと話し易い)
現状退出が出て、新規募集すると「相場的にかなり厳しい」可能性があるので、上記の計算から新規募集した場合の賃下げ額のちょっと上ぐらいの”いい線”で打診すれば若干賃料値下げで更新可能かもしれないのです。
ここは欲張らずに、是非「新規募集した場合よりちょっと高い線で打診」するのがいいでしょう。実際自分で新しい部屋に新規契約すれば、契約金的にはコスト造であるのは間違い無いのだし、無理な数字を出して話が流れてしまえば勿体無い話です(何か山師的な駆け引きするところじゃないですから、あくまでも賃貸住居はある意味信用取引です=目先1ヶ月の賃料を巡る契約で2年間の居住権と更新権を取引している→保証人不要会社なんかが引き当てる金額は賃料の24ヶ月分だったりします=審査の形でリスクを取っているのは家主さんの側です)。

※又次の部屋を申込してから今の部屋の賃料交渉を行う等、そういうモラルの欠ける交渉は絶対しないでください(許されないタイミングでキャンセル等すると「取引停止客」そのお店で取引停止客となるばかりでなく、悪い癖のようにどこの業者さんからも信用されなくなる可能性もあります)。そういう事をすると必ず後で”ツケ”が回ってくるものです、住居は非常に縁と深い関係があるので、双方円満な形を前提とする事が結果的に自分自身の利益になりますからね。
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遮音性と音

2008年02月04日(月) - トラックバック[0] - コメント[0] - 住まいのキーワード

単純に住居性能として遮音性を高性能だけで位置付けるには音響的な世界から難しい面もあるので、この辺心理的な側面も含めて考えおきたい。
常識的なスピーカー選択から見ていくと、『低能率で密閉型(どちらかと言えばクラシック向きでローエンドまで音が伸びる)』は遮音性のいい非木造住居に向くとされ、『高能率のバスレフ(位相の関係でローエンドはカットオフ低域にアクセントがつく傾向)』は反響の少ない木造でもセッテイングしやすいとされる。
意味合いからすると、遮音性能の高い非木造住居の場合反響も大きいのでダンピングの効いたスピーカーでローエンドまでなだらかに下がるf特性のスピーカーで聴感上のバランスが取れる事になり、木造住居は部屋としての吸音率が高いのである程度スピーカー自身に響きのあるものでそれを補うってスタイルとなる。

音響エネルギーで考えると、もっとも遮音が厄介なのは共鳴による増幅で、ダンピング特性的にフラットなら問題無いのだけれど固有周波数に極端に共振する部材を使うと室内音量は過小でも共振によって音源が拡大する事もある(複合材が有利なのはこれが理由)。

つまり遮音性能の高い非木造でも、一度室内に騒音が入れば元来部屋が響きやすい傾向あるので(これは共振じゃなくて反響)サッシの性能含めてかなり細かいところまで配慮が必要になってくるけれども(欧米の非木造住居の床仕上げのデフォがカーペットであるのはこれも理由のひとつでしょう)、木造の場合には元来室内に吸音性を保持しているので「けっこうアバウトでも気にならない」事になる。
ある意味、木造住居と畳の相性の良さは間違いなくて(吸音性能が上昇するので)、十分床材の仕上げを注意していないとフローロングに改装の結果上下からの音が入りやすいってケースがあるのも確かでライフスタイル含めてこの辺の組み合わせも検討必要でしょう。

実際非木造のマンションでも鉄骨造なんかだと、木造アパート以上に音が気になるケースもあるので、遮音性重視ならRC限定って部分も注意が必要。
ある意味「遮音性能」としての絶対音量には当然差がある(非木造有利)んだけれども、聞こえてくる音の質にも差があるので(アパートの場合音が聞こえても高周波は吸音され”こもった音”が多い)、致命的に隣室や上下階の音が入って居住性そのものが心配になるケースは「軽量鉄骨アパート・鉄骨造マンションで”設計に問題のあるもの”」と考えていいのじゃないかと思う。この辺の内容は内見時に床や壁の強度を確認する事である程度担保できる、
特に鉄骨造の場合には、壁仕切りが簡単なボードだけの造作壁である場合も多いのでここは注意したい(むしろ木造アパートの方が壁は薄くてもダンピングが効いてる場合が多い)。
又木造アパートなんかだと、最近賃料下がってきていますから2DKや2Kのオーソドックスで格安な部屋を借りれば「メインで生活している部屋が被らない」事で常に一部屋がバッファになるなんて探し方も有効でしょう。

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『分譲キラー』に思うこと(本編)

2008年01月31日(木) - トラックバック[0] - コメント[0] - 住まいのキーワード

文豪やら女優さんやらじゃないですが当時のインテリ階層がみごとに西洋建築そのまま(当然レストルーム形式で「いかにもバストイレ別では無い」)に、洒落た非木造住居に暮したなる象徴的な一歩を契機にしている(そういう意味でも昭和の白人コンプレックスとよく似ています)のは間違い無く、代表例に「川口アパートメント(リアルな時代なので名称もアパートメントです)」等があります。

な時代を背景に、一般社会の認知では「分譲マンションは高級」というカルチャーショックみたいな現象が発生→その認知が一般化し、そんな”ニーズ”に答える形で盛んに設備やグレードの増強が図れてきて現在に至るとなります。
川口的な歴史を踏まえれば今でも「ぺアシティシリーズ」等が、保守本道の分譲マンションとなるのですが、車社会における”日本車的高級感”が知らない間に独立した地位を確立したように、日本車的ジャンル(デザイン性や文化的高級感というよりハイスペックなカタログDATA的な高性能がポイント)が伸びて、こちらが現在のメインストリームになってます。

結果的には、この日本車が北米市場でも優位を確保したように、日本独自のマンションの解釈というものが結実する形で”所謂分譲マンショングレード”なる概念も経済実態として伸びてきたと、
しかし、このグレードにも特徴があって(ここが日本車がEUにおいても圧倒しない理由と被るのかも知れません)、オリジナリティのあるスペックにより個性を表現する事を上位とするより大量生産的な生産性を背景に「格安のコストでフルスペックを」に傾倒したのも事実です。
ここに至ると、前回の最後にお話したRC建築の本旨でもある「デザインの自由度」を生かせないのはもちろんですし、高級な設備といってもその設備は事実上”耐久消費財の購入”であるのは間違い無い(付帯設備に過ぎない→築浅信仰のビヘイビアになっている)。

RC建築の本旨この「デザイン」なる言葉の意味は、ライフスタルや既存の文化に対してオルタナとしての創造性を発揮する”建築や暮らしというコンセプトそのもの”に対する”意匠”であり、狭義の造形デザインだけを指すものじゃありません。
伝統建築を覆すファサードや、都市特有の共棲の発想や、そこに暮らす事は=そのマンションが語る哲学性へのリスペクトへ連なる自分自身の個性との関係性が重要視されます。
この辺が、このブログで言えばカテゴリー”Teorema”で語られる時代性なるものです、
しかし、この建築デザインの在り方はいかにも高コスト(実はそれを理解して今そこで暮せば事実上”強烈なコストパフォーマンス”なのです、とてもじゃないが現在のコスト計算では建築できないものも多い)であり、『安藤忠雄氏に始まるコンクリート打放しをプロトタイプするマスプロダクトが模索され』→「所謂デザイナーズが誕生」となるワケです。

しかしいざ「所謂デザイナーズ」が大量に建築されてくると、そのユニークさは皮肉な事に構造的に一般化してしまい、本物のデザイナーズを探す事が逆に難しくなる等、現在この「所謂デザイナーズ」を巡る環境は若干厳しくなっています。
ここに至って「トヨタ2兆円」的王者の到来に時期を合わせるように、(バブル以降)日本的分譲マンションなるものが再び見直されていると言えるのじゃないでしょうか。
「格安のコストでフルスペックを」
十分コンセプトを煮詰めてひたすらクオリティー重視的な設計を推し進めてみる。
日本製高級車に奇抜なデザイン性が似合わないように、外車の模倣から脱却し独自のデザインを確立するに至ってます。
(EUでは文化的な煮詰めが重要なのは間違いなくて、車で言えばF1やWRC走って無い事には本当の意味のリスペクトは得られない。日本車の場合その急先鋒はホンダでしたが、この日本車本格派の時代に時期を合わせるように、大御所トヨタがF1に参戦したのもご存知のとおりです)

そんな意味で、分譲マンションという世界は現在日本において独特な存在(そもそも「靴脱いでるし」)であるのは間違い無いし、同時にそれはまだまだRC建築の本旨を実現したのかといえば「まだまだそうとも言えない」のも又事実です。
実に『微妙〜な存在』なんですよね、今。
車社会が新車志向であるのに並ぶように現在マンションも築浅志向と、耐用年数や文化的関わりからどうしても無理のある認識が継続中で(ここにはフルスペック=高級志向が付帯する耐久消費財等で担保されている側面が見逃せない)、
日本の建築の将来像的には
「これもう一回一から考え直すってのもアリじゃないのか」
と個人的には思う部分もあるんです。

ここで何かに気が付きませんか?
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『分譲キラー』に思うこと

2008年01月29日(火) - トラックバック[0] - コメント[0] - 部屋探しの心理学

分譲キラー
この言葉は私が作った造語で分譲超える賃貸マンションを指す言葉です。
実際”分譲賃貸”(各室のオーナーが投資目的でこれを賃貸として運用しいる部屋)という言葉は一般的ですよね。実際賃貸仲介調査の仕事をしていると、この”分譲賃貸”非常に多く紹介する事になります。何故なら分譲オーナーの場合アパート1棟所有されているオーナーのように管理室数の数で空室のリスクヘッジはできませんから、「投資利回りを欲張らずに安くお部屋を貸すケースが多い」からです。
一見根っから賃貸の部屋より分譲の方が高級な筈なのに分譲の方が賃料が安い?
全然不思議な事じゃありません。
僕ら現場の感覚だと「分譲の方が高級」とは思っていないし、事実と違うからです。
手馴れた大家さんが管理している賃貸物件は想像以上に細かいところまで管理されていて、常にリフォームされていますから私達の感覚からすると、一般の賃貸のお部屋に比べて”分譲賃貸の内見はギャンブル性が高い”んです。

内装状態が、各オーナーによってそれはそれは随分違うので(オリジナルのままの方が珍しい)「行って見なければわからないのが分譲賃貸」となります。
一般の賃貸のお部屋の場合、僕ら業者には大家さんと管理会社との媒介契約の内容がわかるので(一概には言えませんが:内容の堅さは「貸主代理→専任→一般媒介→情報非公開」の順になる)、内見前からかなり物件内容は補足できます。
というか、仲介調査の場合自社管理しているワケではないので、自分自身内見するまで室内の状態はわからないんですが、これま全く心配無いのです。何年か仲介調査をしていれば(元付け業者さんの数十倍か数百倍の部屋を見てきている)図面資料と記載事項等から内見前から内容は「既にわかっている」からです。
が、しかし”分譲賃貸”だけはわからない。

ここまでの話で、「オヤ?そもそも分譲マンションの方が賃貸アパートより当然高級な筈だ」なる基本的な話にもなりますわね、そりゃ。
しかし、部屋探しをしている人の大半(分譲を検討している人も)が、ここの判断間違っているケースが多いんです。
「そりゃ分譲マンションは高級ですよ。固定資産税見ればわかります」
つまり耐用年数含めた、資産価値が高いんですよ。
実際”言葉”ってところからいえば、本来ヨーロッパにおけるマンションっていやぁあなた”高級大邸宅”なる意味なのであってこの言葉の使い方が誤用であるのはみなさんもご存知のとおりです。
マンションなんかの名前で「シャトー○○」みたいな看板ってか宣伝文句の延長ですっかり呼称がマンションになってしまった(現在は公正取引委員的に”非木造共同住宅の呼称”になっている)んであって、本来『マンションアパートも全部アパートメント』なんですよ。
日本においてこの非木造住居が大注目されたのは、関東大震災であり東京大空襲です。
震災も最も被害が大きいのは火災なので、耐震性というより防火性能(これは一面火の海と化し屋外にいるだけでも”自然発火”したあの”東京大空襲”という人道的に許されない民間人だけを狙った戦争犯罪によって最も強く印象付けられたのもご存知のとおりです)であり、つまるところ”耐用年数的な資産価値”にあります。
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