(まとめ)

 大きな家畜は大人1人に1頭、鶏は4羽近く世界で飼養。地域分布は中国に豚が多く中南米に牛馬が多いなど大陸別に特徴。

(世界の家畜頭数)

 FAOの2002年データによると、世界の人口は62億人であるが、牛は13.6億頭、豚は9.4億頭、羊は10.3億頭、山羊は7.5億頭などとなっており、この他、水牛、馬、ロバ、ラバ、ラクダなど大きな家畜を含めると合計して43.7億頭となっている。世界の人口の30%は15歳未満の子供であるので、世界全体で大人1人当たり、約1頭家畜を飼っていることとなる。

 また鶏は採卵鶏あるいはブロイラー等として163.7億羽飼養されているので、大人1人当たりでは、3.8羽飼っていることとなる。

 日本合は家畜の少ない国であり、人口1.2億人に対し、鶏以外の家畜は1,424万頭と10分の1強となっている。

 米国は牛の数が多く、3人に1頭程度、牛を飼っている。中国は豚が多いのが目立っている。

(主要家畜の地域別分布)

 牛はラテンアメリカが27.0%と最も多いが、伝統的な飼養方法によるアフリカ、南アジアでの構成比も比較的高く、また北ヨーロッパや北アメリカでもかなりの牛を飼っている。世界の人口構成と余り大きく異なってはいない。

 豚は森林性のいのししからヨーロッパ、アジアと大陸ごとに別々に家畜化されたと言われるが、乾燥地域には広がらなかったし、イスラム教国では食べることが禁忌となっているので分布が限られている。中国が49.3%と突出しており、この他、ハム・ソーセージを食べるヨーロッパや南北アメリカに分布が集中している。意外なことに牛より豚の方が数が少ないのはこうした事情による。

 羊はアフリカ・西南アジアとオセアニアに比較的集中しているのが目立っている。

 馬はラテンアメリカが43.7%と最も多く、集中している。

 鶏はおおむね人口分布と比例しており、世界どこでも卵が利用され、肉が食べられている。

(2004年8月26日収録)
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