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所得隠し「実質的な利益ない」

2008年02月20日

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記者会見する高木俊一氏(右)ら=前橋市の県庁で

 前橋市長選で再選された高木政夫市長(57)の実兄が経営する建設会社など2社が関東信越国税局から計150億円の所得隠しを指摘された問題で、実兄の俊一氏(61)は19日、弁護士とともに県庁で記者会見をした。税務当局による指摘については「税法の認識不足だった」と認めたうえで、「実質的な利益はない」という理由で異議を申し立てていると説明した。

 俊一氏らによると、前橋市内の「高木建設」と「アーバンプラン」の2社は05年9月、債権回収会社に対する債務約150億円について、500万円を支払うことで残りを免除してもらった。税務署からは、この債務免除について「『債務免除益』が生じており、その税金が支払われていない」と指摘されたという。追加して課された税金(追徴課税)は、重加算税も含め67億円にのぼるという。

 税務当局の指摘について、俊一氏は「債務免除益が出ると言うことを知らなかった」と述べた。2社の05年度決算で債務が残っているように処理したことに関しても、意図的に隠したものではないと釈明した。

 ただし、00〜01年ごろにも約8億円の債務免除を受けており、この時は免除益として所得に計上したという。

 こうした会計処理は「税理士が行っていて知らなかった」(俊一氏)と話したが、今回も同じ税理士が決算処理をしており、債務免除が再び行われたことについても俊一氏から税理士に説明したという。

 会見に同席した弘中惇一郎弁護士によると、今回の追徴課税については、「実質的な利益は発生していない」という理由で異議を申し立て、今年1月、国税不服審判所に審査請求をしたという。

 なお、債務免除にかかる一連の過程で、高木市長の関与は「ない」と俊一氏は言い切った。

 2社はバブル期の土地投機の失敗で巨額の負債を抱え、07年9月に解散の登記をした。現在は清算会社として残った債務の処理を進めている。今回の債務免除後も、金融機関などに対して約50億円の負債が残っているという。

 会社を解散するにあたり、破産などの法的整理を行わなかったことについて、俊一氏は「(破産を)考えたこともあったが、少しでも債権者に恩返しをしたくて、踏み切れなかった」と話した。

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