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【埼玉】救急病院の医師不足対策 開業医も輪番勤務2008年2月20日 救急医療を担う医師不足対策として県は、開業医が輪番制で地域の中核病院の産科救急外来を受け持つ取り組みを、一部地域でモデル的に行うことを決めた。小児科では朝霞地区で同様の取り組みを四月から実施することが決まっている。救急病院での夜間休日診療などについて、軽症患者は当番の開業医が診察、病院の勤務医は重症患者への対応に特化することで、勤務医の負担軽減を図る。新年度当初予算案に事業費約八百十六万円を盛り込んだ。 (萩原誠) 県によると、県内の小児科医数は二〇〇六年までの二年間に二百二十四人増加したが、病院勤務医は十三人減少。小児科医が常勤する病院数も十カ所減少しており、産科医も同じ傾向にある。 また小児救急の場合、入院治療などが必要な救急患者を対象にする二次救急医療圏十六地区中、すべての曜日で救急輪番体制を組んでいるのは八地区のみ。このままではさらに減少する可能性も高く、救急医療を受け持つ医療機関での医師不足が深刻化している。 朝霞地区では四月から、同地区医師会の協力で開業医が平日と土曜の夜間、志木市立市民病院で小児科外来診察を受け持つ。 新たな勤務医の確保が難しいと判断した県は、朝霞地区の取り組みが機能すれば、病院勤務医が入院患者の診療や高度医療に専念できる環境が整えられると考え、この取り組みを支援することを決定。さらに、産科でも県が主導して同様の取り組みを行うことにした。産科の実施地区は調整中。 朝霞地区と産科のモデル地区で、開業医と病院の連携ノウハウを蓄積してもらい、うまくいけば県が仕組みをまとめて県内全域に広げていくという。 県は「救急病院に患者が殺到して病院勤務医が疲れ切り、なり手もいないという悪循環を断ち切るため、しっかりと体制を確立させて全県に広げたい」としている。
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