富士見町の県厚生連富士見高原病院と同町は19日、2005年5月から不在となっていた常勤の小児科医師について、新たに2人を確保したと発表した。4月1日から勤務する。同病院は、3年半前から休止していた出産の取り扱いを、来年4月に再開する方針。小児科医を常勤とし、新生児の診療態勢を強化することが再開の前提条件となっていた。
常勤となる2人の医師のうち、現在、東京警察病院(東京都千代田区)の小児科部長を務めている江川充さん(59)=松本市出身=を副院長として迎える。県医療政策課が県内医療機関への就職をあっせんする「ドクターバンク」を通して勤務が実現することになった。もう1人は県内の病院に勤務する女性の小児科医が着任する。外来診療のほか重症以外の患者の入院も受け入れる。
同病院では1人だけだった小児科の常勤医が開業のために辞めて以来、信大などからの非常勤医で対応していた。昨年4月には産婦人科の非常勤医が常勤になり、出産の取り扱い再開に向けて態勢整備が進んだ。
井上憲昭院長は「全国的に医師不足と言われる中、町の協力を得ながら医師確保にこぎ着けた。予定通り出産の取り扱いを再開できる」と話している。