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農民がマンション占拠 激化する“土地闘争”中国 (1/2ページ)

2008.2.18 20:11
農民に占拠されたマンション。窓の張り紙には「みんなで団結しよう」と書かれていた(撮影・福島香織)農民に占拠されたマンション。窓の張り紙には「みんなで団結しよう」と書かれていた(撮影・福島香織)

 【北京=福島香織】中国の首都、北京で土地を都市再開発に奪われた北京市豊台区太平橋村の村民200人以上が、その土地に建設されたマンション2棟を占拠、昨年12月1日から居座り続けている。

 「だって、このマンションは私たちのものだから…」。マンション占拠メンバーのひとりの女性(42)は興奮した口ぶりで言い放った。2月中旬、完工直前のマンション「首科花園」のロビー。壁にペンキで「村居委会(村民居住委員会)」の文字がでかでかと書かれ、10人前後の元村民が怖い顔で座り込んでいた。

 「毎日、退職した老人、女性たちが交代で占拠し続けているんだ」と老人(68)のひとりが言う。電気もスチームも水も切られ、豆炭を燃やして暖をとっている。

 「いつまでいるって? 問題が解決するまでだ」とある男性は徹底抗戦の構えだ。占拠したばかりの12月初め、開発業者が武装警察とともに追い出しにきたが「私たちはすでに最悪のところまで追いつめられている。今さら怖いものなどない」と、追い返した。

 話はややこしい。地元紙・新京報(12月23日付)によると、人口3000人あまりの太平橋村は1993〜94年、木材加工・製紙などの集団経営の成功で年間の村内経済生産1億元(1元=約15円)をほこる豊かな村だった。しかし94年、都市緑化・再開発計画の通達により、工場をたたまねばならなくなった。同村は開発業者に土地109ヘクタールを提供、マンションを建設する契約をかわす。

 再開発が完了すれば、村民は大人1人あたり80平方メートルの住宅が分配される約束だった。「マンションが完成すれば、私たちもいい家に住め、車も持つような豊かな生活ができると信じていた」と冒頭の女性。

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マンションを占拠した農民たち。開発商が相応の金を支払うまでは立ち退かない覚悟だ(撮影・福島香織)
農民に占拠されたマンション。窓の張り紙には「みんなで団結しよう」と書かれていた(撮影・福島香織)
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