千葉県・野島崎沖で起きた海上自衛隊の最新鋭イージス護衛艦「あたご」(艦長・船渡健1等海佐、7、750トン)と漁船「清徳丸」(7・3トン)の衝突事故で、横須賀海上保安部は19日夕、業務上過失往来危険容疑で、海上自衛隊横須賀基地に接岸したあたご艦内を家宅捜索した。船渡艦長ら関係者からも事情を聴き、事故原因などの特定を急ぐ。
日米安保体制の「最高機密」とされるイージス艦への強制捜査は極めて異例。目視やレーダーを使った、あたご側の監視態勢の不備の有無が大きな焦点となる。
石破茂防衛相は19日夕、自民党の国防合同部会に出席し、事故の状況について「あたごの見張り員が右の方向に灯火を視認、この灯火がスピードを上げたため漁船と確認し全力の後進をかけたが、1分後に衝突した」と説明。清徳丸はあたごの前方約100メートルで大きく右にかじを切ったという。
横須賀海上保安部などは関係者の聴取と並行し、船体の損傷状況や航路記録などを分析。事故時の両者の位置関係や進路、速度、海上衝突予防法上の回避義務がどちらにあったか、などについて調べる。