羽田空港の「国際化」が現実のものとなりつつある。 全日空が羽田-香港間の国際定期チャーター便を、4月に就航させることになった。夜に羽田を出て翌日の未明に香港に着く便と、未明に香港を出て羽田に早朝着く便を軸にダイヤを調整しているという。羽田からの国際定期便ではソウル、上海便に続き3路線目。8月には北京便も就航する見通しで、国際化が加速しそうだ。 実際僕は、韓国に行くために成田発と羽田発の両ルートを使ったことがある。時期にもよるが、料金は羽田発のほうが割高だ。しかし東京や横浜など、羽田から近い場所から成田までの往復交通費を考えると、その価格差もあまり変わらなくなるし、何よりも成田まで行く時間と羽田まで行く時間差を考えると、首都圏中心部からのアクセスは圧倒的に羽田のほうが便利だ。 それ以来僕は韓国に行く際は羽田から行くようにしている。 今の羽田の国際線ターミナルはお世辞にも立派なものとはいえないが、これから数年後には本格的な国際線ターミナルが完成予定。名実ともに「国際空港」として生まれ変わろうとしている。 思えば、2002年の日韓W杯のときに、大会期間中に旅行会社がチャーター便という形で羽田-金浦便を飛ばしたのが羽田国際化の走りだろう。そのとき僕もその飛行機に乗り、その便利さに驚いた。 大会後も需要を見込んだ日韓4社の航空会社が、各社1往復ずつの、計4往復のチャーター便を就航させ、さらにそれが2往復ずつの計8往復にまでなり現在に至っている。 それに味を占めた航空各社は、今度は上海の都心部にある虹橋空港へのチャーター便を2007年9月に就航させ、こちらも好評を博しているという。そして今回の香港・北京便就航と、「なしくずし的」に、羽田は国際化への道をひた走っている。 羽田空港はどうなるのか(写真はイメージ) これは以前からの僕の持論でもあり願望なのだが、時差が2時間以内のアジア近距離路線は羽田、それ以外の長距離路線は成田といった感じで「すみ分け」るのが妥当なのではないかと思う。 これは羽田に中華航空(チャイナエアライン)が唯一の国際線として就航していたころからそう思っていただけに、現在の国際化に向かっている状況に対し、「時代がようやくおれについてきたか……」などとほくそえんでいたりした(チャイナエアラインは、2002年4月に成田へ移転した)。 それはともかく、羽田が国際化すれば成田にもメリットはある。現在の成田の航空ダイヤはとても過密になっているという。近距離路線を羽田に回せば、その分余裕ができ、それを東欧やアフリカなど、今まで直行便を飛ばすことができなかった国々への便に割り当て、アジアのハブ空港の座を仁川や香港から奪取できるのではないかと思う。 もっともそのためには発着時間や空港使用料の調整、空港の24時間運用の可否、それに伴う周囲の環境への配慮など課題はいろいろあるだろうが、検討してみる価値はあると思うのだ。 果たして「羽田国際空港」は世界の大空に向かって翼を広げることができるのか。これからに注目していきたい。
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