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受刑者ら22人、医務課長を告訴・告発 虐待で

2008年02月19日20時07分

 徳島刑務所(徳島市、荒島喜宣所長)の受刑者ら22人が19日、医療行為を装った虐待を受けたとして、同刑務所の医務課長(男性医師)や前所長ら3人を特別公務員暴行陵虐罪などで徳島地検に告訴、告発した。同刑務所では昨年11月、約30人の受刑者が暴れ、刑務官5人が負傷したが、受刑者らを支援してきたNPO法人「監獄人権センター」(東京都)は、その背景には、不当な医療行為への不満があったとみている。

 告訴状によると、医務課長は04年4月の着任直後から騒動までの間、受刑者に対し必要も同意もないのに肛門(こうもん)に指を入れたり、足をつねったりするなどしてけがを負わせたほか、必要な診療をせず放置するなどしたとされる。

 同センターには、同刑務所内の医療への苦情や相談の手紙が約230通寄せられ、騒動直後には受刑者から直接聞き取り調査をした。告訴状では受刑者らが「指を無理やり肛門に入れられ、周辺がさけて1カ月のけがを負った」「太ももなど十数カ所をつめでつねられ、腰の上に座ってエビ反りの体勢にされた」などと訴えている。

 この日、代理人の弁護士7人は、医師への警告などを求め、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済も申し立てた。

 刑務所側は「直腸診断は医療行為の一環。医務課長は非常にまじめで熱心」と医療行為の適切さを主張してきたが、医務課長は騒動直後に診療から外れた。高橋広志総務部長は「推移を見守り適切に対応したい。捜査には全面的に協力する」としている。

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