◇26日から妊婦検診
昨年9月から産科の常勤医がいなくなった留萌管内羽幌町の道立羽幌病院(奥雅志院長)は26日から、助産師が妊婦検診を行う「助産師外来」をスタートさせる。妊婦の初診と分娩(ぶんべん)は留萌市立病院が受け持つが、妊娠16~32週までおおむね4回の検診は羽幌病院で可能となる。産科医のいない病院に助産師外来が開設されるのは道内では初めて。
羽幌病院では07年4月、産科の常勤医が2人から1人に減り、分娩ができなくなった。さらに9月、残る1人の常勤医も辞め、これに伴い妊婦検診もできなくなった。留萌管内中部(羽幌町、苫前町、初山別村)の妊婦は検診のたびに留萌市立病院などへ長距離の通院を余儀なくされており、「羽幌病院に産科外来を設けてほしい」との要望が管内の町村議会から出ていた。
羽幌病院は留萌管内中部の妊婦を年間100人程度と予想。助産師外来では診断や投薬などの医療行為はできないため、留萌市立病院で許可を受けた妊婦に限り、助産師2人が同病院の産科医の指示を受けながら尿検査、子宮底や胎児心拍の計測などを行い、結果を同病院に報告する。
助産師外来は毎週火曜の午前中で予約制。国田松博事務長は「分娩再開への第一歩と受け止めている。羽幌病院は施設も整っている。医療過疎を少しでも解消したい」と話している。【渡部宏人】
毎日新聞 2008年2月19日