2008年2月19日 7時58分更新
審理が長期化する医療裁判を、もっとスピーディーに進めようと、広島県内の裁判官や医師などでつくる協議会は、裁判官が病院に出向くなどして医師との連携をもっと深められないか、具体的に検討していくことになりました。
医療ミスをめぐる損害賠償の訴えなど医療に関する裁判は、専門的な知識を必要とするため、全国平均で2年余りかかっていて、民事裁判の全体平均の約3倍の日数を要しています。
こうした中、広島県内では医療裁判のスピード化を図ろうと4年前から裁判官や医師たちが連絡協議会を立ち上げて議論を進めており、18日に広島地方裁判所で開かれた会合では、今後、作業部会を設けて、より具体的な方策を検討していくことを決めました。
作業部会では、裁判官が病院に出向いて現場の医師と意見交換したり、実際に行われている医療裁判の情報を提供したりして、医師との連携をもっと深められないか検討していくとしています。
連絡協議会に参加している医師で広島大学の弓削孟文副学長は、「いまの医療裁判がどういう水準で進められているか現場の医師が知ることで、互いの協力関係が生まれ、審理のスピード化を図ることができるのではないか」と話しています。