長野放送局

2008年2月18日 20時46分更新

産科救急医療の充実を


奈良県で去年、妊娠している女性が救急搬送中受け入れ先の病院が見つからずに流産したことを受けて、県内の産科の救急体制について話し合う会議が安曇野市で開かれ、県内では奈良県のような事例はないものの不足している産科医の増員が必要だという意見が出されました。
長野県が安曇野市の県立こども病院を会場に開いた18日の会議には、産科医や消防の関係者などおよそ20人が出席しました。
この中で、実際の救急搬送にあたる担当者が「去年1年間、長野市消防局では受け入れ先の病院が決まるまで4回電話したケースが最大だった」と紹介し、県内では奈良県のような事例は起きていないと報告しました。
一方、現場の産科医は、「大都市とは違って県内では救急指定の病院で、患者はほぼ受け入れられている」と述べる一方で、「受け入れ先の病院で患者が十分な診療を受けるには不足している産科医は増員が必要だ」と医療体制の充実の必要性を訴えました。
奈良県の事例を受けて政府は都道府県に対し、今月末までに対策案を報告するよう求めており県は、18日の議論も踏まえて産科の救急体制を整備する具体案をまとめることにしています。