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2008年2月19日

 日本の八百万(やおよろず)の神はにぎやかなことが好きなようだ。それが最もよく表れているのが祭りである

神は祭りの時に降臨すると考えられている。それで、祭りには酒や最高のごちそうを供え、神楽を演じてもてなす。長野・諏訪大社の御柱祭(おんばしらまつり)のように荒々しく危険なものも、人々の命を顧みない勇敢な姿を神が見て喜ぶのだという。神が喜べば人々も喜ぶというわけだ

岩手・黒石寺の蘇民祭(そみんさい)はポスターがセクハラだと話題になったが、男性が下帯一つで行われる祭りは全国至るところにある。それを大騒ぎするとは、何をいまさらという感じだ。しかしその騒動には神もほほ笑んだかもしれない

にぎやかと言えばクローン技術の分野である。韓国ソウル大の研究者らが死んだペットのクローンづくりを受注したという。研究用でなく事業と言うから驚きだ。事業を支援している企業側は年産五百匹を目指したいと言い、発注第一号の客には値引きをしている。まさに生命の商品化である

SFの世界のものと思っていたのが現実となってきた。ついに神の領域で金もうけか。これには「触らぬ神にたたりなし」の声も聞こえそうだが。


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