経済
県知事ら税収増、活性化に期待 松下、姫路進出
松下電器産業が液晶テレビ用パネルの工場を姫路市飾磨区で建設することを発表した十五日、誘致を働きかけてきた兵庫県の井戸敏三知事と、姫路市の石見利勝市長が相次いで会見し、歓迎を表明した。予定地は以前、シャープの液晶工場誘致が有力視されていたが、「まさかの逆転」(井戸知事)で昨年七月、堺市に決定。苦い経験を乗り越えての誘致成功で、関連企業を含む雇用創出や税収増を見込み、地元の期待は早くも膨らんでいる。
「松下の新工場の方が発展の可能性があると期待している。会社の規模も違いますしね」
井戸知事は「シャープに逃げられ、結果的に良かったのでは」との問いに、こう答えた。
シャープ誘致に失敗した直後から知事自らが乗り出し、松下の大坪文雄社長に姫路を売り込んだ。井戸知事は「松下とは尼崎のパネル工場建設の際に培った信頼関係がある」と胸を張り、「地元企業が松下に部品納入する道を開くなど、地域への波及効果を高める支援体制を整えたい」と述べた。また、デジタル家電の生産拠点が県内二カ所で整備されることになり、井戸知事は「先端の産業クラスター(集積)が形成され、世界にアピールできる」。
県は、従来ある優遇策を適用し、新工場の投資額の約3%に当たる九十億円を補助する方針で、数年間にわたって支払うという。
石見市長も「地元企業もビジネスチャンスの拡大が見込め、継続的な雇用確保など大きな波及効果を期待できる」とし、市のプロジェクトチームを同日付で設置。建築確認手続きを迅速化するなど全面的に支援する。
姫路商工会議所の尾上壽男会頭は「播磨地域全体の活性化につながる」とコメントした。妻鹿駅が新工場の最寄り駅となる山陽電鉄は「沿線のにぎわいにつながり、大歓迎」。同駅は普通電車などが停車するだけだが、同社は「特急の停車や、バスの路線開設も考えたい」と話している。
(2/16 09:40)
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