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EU、独立宣言のコソボ支援に着手 英仏など早期承認へ

2008年02月18日22時27分

 セルビア・コソボ自治州の独立宣言をうけ、欧州連合(EU)は18日、ブリュッセルで外相理事会を開き、コソボで活動する警察官ら2千人規模の文民支援隊の派遣日程などを協議するなど、コソボ独立への実質的な支援に着手した。ただEU内でも独立反対の国があるため、EUとしてコソボの国家承認を明確に促すことは避け、各加盟国に任せる方針だ。

 EUの大勢はコソボ独立支持だ。フランスやドイツ、英国、イタリアの4大国が早期に承認し、EUとしての流れをつくるとみられる。EU議長国スロベニアのルペル外相は18日、「多くの加盟国がコソボを承認するだろう」と述べた。

 ただ、メルケル独首相は18日、「ドイツ政府としては、きょう承認を決定することはない」と話し、独立に反対するセルビアへの配慮を示した。

 EUが派遣する文民支援隊は4カ月後に国連コソボ暫定行政支援団(UNMIK)を引き継ぐ計画で、「独立コソボ」に対するEUの支援を目に見えるかたちで示す。EUとしてはこの体制を5〜10年は続け、独立国家としてのコソボの足場固めをする考えだ。

 EUではキプロスやギリシャ、スロバキア、スペインなどがコソボ独立に反対している。少数民族の分離・独立を刺激するなどの理由だ。だが、こうした国も文民支援隊の派遣を強く拒否する立場はとっていない。

 外相理事会では、コソボ独立に反対するセルビアへの対応も話し合う。EUはセルビアに対し、「見返り」としてEU加盟を視野に入れた暫定協定を提案したが、セルビアの反発で締結は延期を余儀なくされた。外相理事会では「EUへの扉はコソボにもセルビアにも開かれている」と呼びかける見通しだ。

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