ミステリー作家・藤岡真のみのほど知らずの、なんでも評論

ミステリー作家・藤岡真の視点から、書籍、映画、ゲームなど色々な「表 現」について評論したいと思います。

机上の彷徨

このページでは、ミステリ作家の視点から、書籍、映画、ゲームなど色々な「表現」について評論したいと思います。

    金嬉老は子供たちのヒーローか・承前(2008/02/17)



 2ちゃんねるの唐沢俊一盗作関連のスレッドに、親切なねらーの方が、『ハレンチ学園』について、詳細にレスポンスして下さった。ここに引用させてもらいます。

藤岡真様
漫棚通信様
こちらをお読みと思いますので、レスポンスさせていただきます。

藤岡先生のサイトの
http://www.fujiokashin.com/criticism.html
2月15日分に「ハレンチ学園」における金嬉老事件のパロディについて、
御両名のやり取りを拝見いたしました。
その件について、本スレッドに書いたのは自分ですので、ソースを説明いたします。

自分の手元にあるのは集英社漫画文庫「ハレンチ学園」2巻です。
昭和51年12月31日発行の第2版で、初版は同年の11月30日となっています。
他の版が手元にないので確信は持てませんが、内容や発行年代から考えて、台詞の修正等はほとんどないと思われます。

それで、問題の台詞ですが、丸ゴシ先生籠城事件の3話目にあたる「大乱戦の巻」の2ページ目第5コマです。
籠城事件の新聞記事を楽しみ、丸ゴシ先生に負けて負傷していた息子を笑っていた山岸父が、事件の経緯を聴いて
「ふーん なかなかホネのあるやつだなーぐわっはは 金 亀老といい勝負だ……」と喜んでいました。
漫棚通信様がお持ちの最新版では、おそらく別な台詞に変わっていると思われます。

実は初単行本化時には、当時小学生の自分が、“見たことのない漢字だ”と思った記憶があるので「金嬉老」だったようにも思えますが、これは記憶違いかも知れません。

劇場犯罪を喜び犯罪者をスター化する大衆の本音を描いた先駆的な作品ではあったと思いますが、金嬉老氏をヒーロー化しているというレベルのものではありません。
以上、ご参考まで。


「金嬉老」が昭和51年に単行本収録される時に「金亀老」に替えられた可能性はあるでしょうね。しかし、唐沢が言ったような―

>当時読んでいた漫画に彼を主人公っていうかモデルにしたようなマンガがねいくつもあって

 ということはやはり嘘でしたね。


          トンデモ本の世界T(2008/02/16)



             パクリはいけません

              t

 その本が著者の意図したところとは全く別のところで笑える本、それがトンデモ本だったはずだが、ここ(『トンデモ本の世界T』)で紹介されている本『人はなぜ「占い」や「超能力」に魅かれるのか』樺旦純 PHP研究所は、そういう意味では全く笑えない本なのだ。では何故取り上げられたのかといえば、この本がパクリ本だからなんだそうである。

 よりにもよって「と学会」からパクっちまったのだから、お気の毒だが、ここで評者、皆神龍太郎はその悪行について滔々と語ってくださる。

 順番が微妙に入れ替えられているものの、誰がみても明らかに内容は同じ。 ~ 中略 ~ つまりこの本は、ネタの多くを『トンデモ超常現象99の真相』からパクって、そのまま書き写して造っちゃったというパクリ・トンデモ本なのだ。(P182)

 なんかどこかで聞いたような話だなあ、と思われたろうが先に行くよ。

 大部分がこれまた信州大学の菊池聡助教授らの『不思議現象なぜ信じるのか』(北大路書房)や、テレンス・ハインズの『ハインズ博士「超科学」をきる』(化学同人)などからの書き写しなどである。確かに巻末に参考文献としていずれの本も挙げてはいるものの、この書き写し方は、参考とか引用の範囲を明らかに超えているんじゃないでしょうか?(そもそも引用だったら、なんで微妙に書き換えてあるの?)(P184)

 おおっとぉ! ここでのけぞりましたね。散々パクリだと罵られていたこの本、著者の姿勢・能力(しばしば“写し”間違えている)はともかくも、樺さんは少なくとも参考文献として明記しているのではないか。唐沢俊一が己の犯罪を、コピペして改竄して、自分の文章に見せかけたことは認めながら、そのことを明記しなかったことだけだと言い訳したことを考えるなら、この樺さんはなんら責められるようなことはしてないじゃない。そもそも、

>そもそも引用だったら、なんで微妙に書き換えてあるの?

 という台詞は、お友達のその唐沢俊一に叩きつけるべきなんじゃないの。

 唐沢俊一、山本弘、志水一夫、植木不等式に続いて、皆神龍太郎も糞認定。


           金嬉老は子供たちのヒーローか(2008/02/15)



 テレビ朝日系の朝のニュースショウ「スーパーモーニング」の中で特集された金嬉老事件(建国記念日にこんなネタを持ってくるたあ、テレ朝も根性は座ってるが本当に馬鹿だな)に関して、この日の放送を最後に首になったコメンテーター唐沢俊一はこんなコメントをした(聞き書き;2ちゃんねるより、なおリアルタイムで視聴しておりました)。

 僕もね、子供でしたけど、カッコいいっていうか、ヒーローっていうかな、そう言う風に思っちゃうんですよ。当時読んでいた漫画に彼を主人公っていうかモデルにしたようなマンガがねいくつもあって、そういうのを読んで、そのやっぱり世の中になんか不安、矛盾とかがあるってのは子供心に解るわけで、それがいま彼がそこに文句をつけて、テレビマスコミというその当時肥大化した、そういうマスコミを通じて文句を付けているのが新しい事件っていう感じがしましたね…

 ……テレビで見てたときも、なにモゴモゴ言ってやがんだと思いましたが、
まあ、なんといういい加減な話だろうか。金嬉老がTVで発言していたときには、既に何作かモデル漫画が登場しているように読めるのもご愛嬌だが(篭城は88時間だった)。

>世の中になんか不安、矛盾とかがあるってのは子供心に解るわけで

 事件発生の1968年2月、当時9歳、しかも札幌という地方都市に住んでいた俊一少年が、世の矛盾など解るわけがない。
 妹尾河童の『少年H』について山中恒・山中典子は『間違いだらけの少年H』で、戦時中、大人も子供も勝利を信じ大本営発表を鵜呑みにしていたときに、どこのこましゃくれた餓鬼が「このままでは日本はどうなってしまうんやろ?」なんて考えたかと、後付けの心理描写を徹底的に叩いたが(バブル経済の最中に日本の将来を憂えた餓鬼がいたか)、同様にこの唐沢の発言も姑息な大人がその場で思いついたものに過ぎないだろう。
 なにより証拠が、このわたし自身の体験だ。わたしは当時17歳。当時のわたしくらいの人間にとって朝鮮人は恐怖の対象以外のなにものでもなく、親も教師も無作法、粗暴を罵るときには平気で「朝鮮人のよう」という言葉を使ったものだ。その朝鮮人が二人殺した上、ダイナマイトとライフルを持って人質と共に篭城と聞いて、ヒーローなどとは思いもしなかった(ただし、捻くれた年頃であったから、銃撃戦になればよいとか、ダイナマイトが爆発すればよいとか無責任に思ったりしたが)。

 2ちゃんねるでも、このヒーロー発言は大分叩かれていたが、一番問題になったのは、

>当時読んでいた漫画に彼を主人公っていうかモデルにしたようなマンガがねいくつもあって

 という発言だった。サンデー、マガジン、ジャンプを購読していたわたしも寡聞にして知らない。2ちゃんの書き込みの中に『ハレンチ学園』で丸ゴシ先生が学校に篭城した話があって、そのとき山岸くん(主人公)の父親が「金嬉老気取りだな」とか言ったのではとも書かれていた。


 で、漫画のことなら漫棚通信さんに訊けばよいのだ。と、早速問い合わせたら、直ぐに返事が来た。一部を引用します。

 金嬉老事件をモデルにしたマンガはわたし自身は知りません。『ハレンチ学園』は雑誌掲載は1969年の6月ですから、金嬉老事件というより、1969年1月の東大安田講堂事件を念頭に描かれたものだと思います。

 さらに前述した山岸くんの父親の台詞に関しても―

 わたしの持ってる『ハレンチ学園』には、そのセリフはないようです。ただし、わたしのはごく最近、小池書院から復刊されたものなので、かつて出版された版から、セリフが変更されている可能性はあると思いますが。

 この可能性は否めない。実際の殺人事件の犯人の実名だし、最近の出版なら、意味のわからない人も多いだろうから。
 しかし、どちらにしろ、

>当時読んでいた漫画に彼を主人公っていうかモデルにしたようなマンガがねいくつもあって

 というのは大嘘であると判明しました。テレ朝もはやくこんな奴切って正解だったな。


             お詫びと訂正。(2008/02/15)



 14日のエントリに対して、知泉さんからメールを戴きました。

 
例えば以下の文章は、“知泉”さんのサイトに、2005年 6月9日に掲載されたもの。

は、正しくは

例えば以下の文章は、“知泉”さんのメルマガに、2005年 6月9日に掲載されたもの。

です。


 とのことでした。申し訳御座いません。なおこのメルマガは、あまりにもあちことからパクられるため、現在は閲覧できないようになっているとか。

 以上、お詫びと訂正です。


          苦しい言い訳と見え透いた嘘(2008/02/15)



 過去の発言は総て忘れてしまうようで、ここまで矛盾した言訳はちょっとないでしょう。



●漫棚通信さんに宛てて

 古書市場においても入手の極めて困難な本書籍を手元に置き参照できるという、ある意味の贅沢を、どれくらいの人間が享受できることかに関しては、ご理解をたまわりたくお願い申し上げる次第です。


●わたしへの返答メール

 私が漫棚通信サイトの文章を自分の文章として盗んで引用したと断定するのなら、その犯行動機があまりに弱くありませんか(あの漫画作品は国会図書館などでいくらでも手に取ることが可能な本で、稀書というものでもありません)。

 ザルと言うかなんと言うか、危機管理能力が皆無であることは確かであるが。

※お詫び
 当初掲載していた『太陽の子サンナイン』の書影に関して、提供してくれた友人から「ネット上の写真を無断で使用した」と連絡がきたので、急遽削除いたしました。オリジナルのサイトがどこだったかは本人も分からないということなので、未知の関係者の方にお詫びいたします。


             知泉さんのこと(2008/02/14)



 以下の文章は、以前mixiに書いたものですが、こちらの方が遥かに閲覧者が多いので(2500ビュウ。因みにこうしたことを書くと「幼稚だと思われかねないからおよしになった方が良いかと老婆心ながらご忠告申し上げます」と書いてきた人がいたけど、誰だか分かりますよね)、こちらにも再録することにします。

              知泉

 静岡に“知泉”なる雑学王がいらっしゃいます。
 ネット上ではその名も高く、地元静岡では「2時の薀蓄」というレギュラー番組もお持ちです。

 ところが、以前から糾弾している唐沢俊一という卑劣漢は、この“知泉”さんのサイトから、数々の雑学を丸パクリして、「トリビアの泉」や「世界一受けたい授業」でネタとしてつかっていたのです。それでも、“知泉”さんは「雑学には著作権はない」として、静観していたのです。それをいいことに唐沢はゴッソリと“知泉”さんの文章を盗んで、自己の著書に掲載するようになりました。
 例えば以下の文章は、“知泉”さんのサイトに、2005年6月9日に掲載されたもの。

 
☆複雑なデザインのために現在も建設途中のサグラダ・ファミリア教会だが、現在その地下室で設計者のガウディは眠っている。これは当時のローマ法皇が出した特別許可によるもので、つまりこの教会への1番乗り。
☆ガウディの死因は路面電車にはねられた事による。その時ガウディはボロボロの服だったので「浮浪者がはねられた」と誰も病院へ連れて行こうとせず、本来なら助かったかも知れないが、死に至ってしまった。
☆ガウディは「神に仕える者は最低限の生活をしているべき」との考えから、身なりは気にしていなかった。※事故は6月7日、その3日後に死去。
☆ガウディの建造物のグエル邸、グエル公園、カサ・ミラなどはユネスコの世界遺産に登録されているが、サグラダ・ファミリアは登録されていない。建設途中なのでダメという事らしい。
☆一般的には「アントニオ・ガウディ」と呼ばれているが、Antoni Gaudiiなので、正しくは『アントニ・ガウディ』

 そして、以下は同年、9月25日に発行された、唐沢の『唐沢先生の雑学授業』のP88-P90に載っている文章。

☆サグラダ・ファミリア教会の地下室には現在設計者のガウディが眠っている。これはローマ法皇が出した特別許可によるもので、この教会への一番乗り。
☆ガウディの死因は路面電車にはねられた事故だが、その時ガウディはボロボロの服だったので「浮浪者がはねられた」と思い誰も病院へ連れて行こうとしなかった。
☆ガウディは「神に仕える者は最低限の生活をしているべき」との考えから、身なりを極端に質素にしていた。結果的にはそれが命取りになった。
☆一般的には「アントニオ・ガウディ」と呼ばれているが、正しくは"アントニ・ガウディ"である。

 ここで注目していただきたいのは、文章が酷似していることではありません。各文頭の☆マークなんです。これはここに引くにあたってわたしが付記したのではありません、原文ママなんです。つまり、唐沢は“知泉”からのコピペの際に、☆マークまでパクっていたんですね。

 漫棚通信ブログ版での唐沢のパクリが顕在化したときに、“知泉”さんは、以前の唐沢の発言「パクるんだったら自分よりマイナーな作家から。これに限りますよ」 を受けて、自分も有名にならねばと意思表明したのですが、すると、暫くして“知泉”さんのブログに以下のようなコメントがありました。

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唐沢さんを叩く事で必死に売名行為をして、その結果「雑誌連載したい」ですかw
解りやすいバカだな
お前、自分に価値が無いの理解できないのか?
ただの雑学羅列なんてバカでも出来るんだよ。
唐沢さんは実際の所、雑学の羅列じゃなくそのまとめ方に才能があるから、今でも仕事はバンバン入ってくる。
お前の雑学羅列なんて、そこらの編集者がネットで拾ったネタを並べるだけで能力なんか必要なく出来るんだよ。
お前「雑学には著作権ない」とか言ってるんだろ?
ありがたくお前の発表したネタは使わせて貰うよって編集者は大喜びだよ。
なんで誰でも書ける原稿をワザワザお前みたいなヤツに依頼しなくちゃいけないんだよ。

唐沢さんを攻撃してせいぜいクズどもの間で有名になってな。
俺の知り合いの編集者の間では
「他人をけ落として売名行為をしている知泉ってヤツがいる」
って事でお前の名前は有名だよ。
お前が出版社にプレゼンで原稿を送ってきたってのも知っているよ。
あんなので仕事になると思ってるの?
せいぜい頑張れやw

投稿 某編集者

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 知泉さんにお聞きしたところ、ある雑誌にプレゼン原稿を送ったのは事実だそうです。その雑誌は唐沢俊一のコメントがしばしば載る雑誌でもありました。その編集部の唐沢シンパ或いは「ご注進」を受けた唐沢本人が書き込んだのでしょう。
 


            ちゃんと読めよ(2008/02/14)



 今回のエントリは、2ちゃんねるラノベ板のレスポンスをもとに書かれています。レスポンスの内容自体の信憑性は検証しておりませんので、その分は皆様のご判断でお読みいただけましたら幸甚です。

 2ちゃんねるに、拙作『六色金神殺人事件』のスレッドがたったのは、確か2000年の12月だったと思うので、わたしもなんやかやで、8年も2ちゃんねると係わってきたことになる。そして今回初めて(多分)、ラノベ板に小生に関する書き込みが行われた。そのことを指摘してくれたのはマイミクの方だが、mixiのメッセージなんかで書いてくるもんでびっくりしましたぜ。メールにしてよ。

 さて、そのスレッドは「米澤穂信 その7」で、そこに「藤岡真が『インシテミル』をボロカスに」と書き込んだご親切な方いたようなのだ。ラノベ板に7本までスレッドがたっているだけあって、皆様米澤さんに好意的なご様子。そこに、聞いたこともないミステリ作家(わたしね)が米澤さんを「ボロカス」と書いたなんて事実が示されたのだから、反応はご想像の通りで、要は「無名の3流の爺い作家が、米澤さんに因縁をつけた(前半はその通りだが)」と言うことに関して、「こんなどマイナーな作家が米澤叩いててワラタ 」「読解力がない」「自分の腐った頭を、人のせいにしてるだけ 」「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや 」「この人FF信者で、DQファンを罵倒してたよ。自分の嫌いな物はなんで敵対するような人」という誹謗のオンパレードであった。余談だが、DQファンってのは、狂信的な奴が多いのか、たった一度の「DQよりFF」といった発言を未だに攻撃してくるんだよなあ。
 まあ、ファンのスレッドだから仕方ないことなので、それ自体はあんまり腹は立たないが、それでもこれは酷いんじゃないかというレスがいくつか目に付いたんで、ちょっと書いておこう。

 わたしが「1120百円」という変な表記に関して言及したことについて。

 >値段表記なんてただの悪い文章って指摘しときゃいいものを
 >それがすべての欠点のように書くからねえ。
 >酷い文章なんてミステリの特権じゃん


 いや、その……。これ書いた人は米澤さんのフアンなんだよねえ。わたしだって、悪い文章なんて指摘をするつもりもないし、酷い文章がミステリの特権って随分失礼な(米澤さんに対して)言い方だよなあ。

 同じ指摘に対して
 
 >これは、普通のバイトなら自給1120円が妥当だから、というだけだね……
 >説明も何も。と思ったのは、自分だけか?


 は? 1120円が妥当かどうかはともかく、ここでは時給112000円という設定なんだぜ。それをなんでわざわざ勘違い(結城くんは祥子に指摘されるまで、1120円と読み違えていた)するような表記にしたのかと言ってるんだが。

 ところが、この間抜けなレスに対し

 > 世間知らずって怖いな。

 という書き込みがあり、すぐにこう返された。

 > 一瞬、自分が世間知らずと言われたのかと思って、何故?となった。
 >批評してる人が、という事でいいんだよね……?


 おいおいと思わず突っ込んでやろうと思ったら、

 >ああ、うん。そうです。ごめんなさい。
 >自分でもちょっと分かりづらいかなと思ったんだけど、そのまま書いてしまった。


 だと。
 お互い納得しているようで困っちまうんだが、なにが「世間知らず」なんだろうか。

 それから、わたしが「奇矯な設定そのものを謎と考えるか否か」と書いたことについて

 >暗鬼館の設定とか、謎が謎のままなところが多いetc.…
 >何も、一から十まで説明しなきゃいかん訳でもないし、謎が多いから、薄気味悪い感じがよく出ていたと思うのだが。


 謎が謎のままではない、それがなにかは最後に明らかにされる。それに納得がいかないから、あれはではなかったのか、と書いたのだ。

 フアンにこれだけ誤読されながら評価されているのは――と書くつもりはない。ミス板では正当に評価されているものね。
 わたしがここで書きたかったのは、ラノベ板に書き込んでいる(一部の)連中のレベルの低さだ。卑しくもフアンを自称するなら「ちゃんと読めよ」。


        エコール・ド・パリ殺人事件(2008/02/13)



             律儀なまでの伏線回収


               パリ

 怪作『ウルチモ・トルッコ犯人はあなただ!』を引っさげて登場した深水黎一郎の待望の第二作。『ウルチモ・トルッコ』を初読したときは、taipeimonochromeさんとか乾くるみさんとかと、何度もメール交換して、「この話はこういうことなんじゃろか」と話し合ったものだった。その中で、乾さんからのメールにもあったある解釈は、いまのところ最も納得できたものなんだが。

 で、第二作の本作は一体どんな話かと申しますと、

 エコール・ド・パリの画家たちに魅了されていた、画廊の社長暁宏之が私室内で刺殺されているのが発見される。床に横たわる遺体の胸には、ミリタリーナイフが深々と突き刺さり、施錠されていたドア以外の唯一の出口、フランス窓には、被害者の血がこびり付いた鉄の閂がしっかり掛けられていた。つまり、これは密室殺人。
 美貌の妻、幼い娘、忠実な執事、知的障害を持つ作男、悪役女子プロレスラーのような家政婦となにか訳あり風の同居人、そして、捜査に当るのは、大癋見(おおべしみ)警部率いる警視庁捜査第一課の面々と、役者が揃ったかと思いきや、『コレクション・ダカツキ』を一目見んと、海埜刑事の甥、神泉寺瞬一郎が間の悪いタイミングで乱入してくる。そして、この国際的フリーターが、探偵役を務めることとなる。
 物語はいささかドタバタ風の捜査の経緯と、暁宏之が生前出版した『呪われた芸術家たち』の引用文とが交互に提示され、進行していく。この、『呪われた芸術家たち』が可也よく出来ていて(ブルゴーニュ大学修士、パリ大学DEAの著者ならでは)、その薀蓄についつい熱中てしまうのだが、実はもう作者の罠は発動している。
 第一作の弾けぶりを期待していると、見事に裏切られる本作だが、複雑に張り巡らされた伏線と、その律儀な回収は目を見開かんばかり。
 唯一 ― (ここからネタバレ ↓)

 海埜刑事が矢鱈にシングルモルトスコッチに拘るのには、如何なる理由があるのかと真剣に考えちまったが、さすがにこれはなんの関係もありませんでした。

 (ネタバレ ↑ ここまで)

 シンプルな事件が普通に解決されると思わせながら、じわじわと複雑な真相を開示していく手腕はお見事としか言いようはない。

 ここで止めておけばいいものの。ちょっと二言、三言。

 スーチンやパスキンは作中語られるよりずっとポピュラーな存在なんじゃないかしら。門外漢のわたしが知っているくらいだから。血の付いた手で触られたため、血痕が付着している状態を「血が塗り込められて」とは言わないんじゃないかしら。そして、癌治療で毛髪が抜けるのは、抗癌剤の副作用によるもので放射線のせいではありません。放射線の影響で脱毛したら“原爆症”で、それこそ致命的です。

 『エコール・ド・パリ殺人事件』深水黎一郎 講談社 2008


           唐沢俊一氏からの返答(2008/02/13)



 前回は即行でご返答下さった唐沢さん、今回は梨の礫です。

 充分に予想は出来ましたが、返答のしようがないのでしょうね。まあ、訊くまでもない。コピペでパクって改竄してシカトで載せる。漫棚通信blogのときと、全く同じ手口の犯行。これまた「ケアミス」の「無断引用」と言い張るには、もはや環境も相手も許さない状況。なんせ、新戸雅章氏は立派な著作がいくつもある有能な作家だし、漫棚事件についてもご存知、というかまとめwikiをごらんになって自分の文章が盗まれたことを知ったということなので、唐沢の悪行ぶりは総てご存知なんですからね。

「ソースに確認のためには、唐沢の見解はどうなのかと尋ねてこい。無視してやるから」ってことですかね。

「貴方に対し悪意を持った言辞をネットですでに発言している相手とは話しあう義務も必要性もない」(弁護士談)ということですから、「すでに発言して」いないこのエントリをお読みの皆さんは、唐沢氏に直接訊ねてはいかがでしょうか。ここから連絡できます。

※わたしは唐沢氏のメールアドレスを知っています(前回メールを戴いたので)が、それをここに公開するのはお門違いと思い、上記のサイトの連絡先を提示しています。したがって、唐沢氏は既にわたしからのメールを読んでいると判断して、返事が来ない旨記しました。


          唐沢俊一氏への質問状(2008/02/12)


唐沢俊一氏の『新・UFO入門』に好意的な書評を書いていた、新戸雅章氏が、事故の文章も“無断転載”されていたことに気が付いて、自己のサイトに以下のように書いている。
ここで、「事実の確認」もしないで、四の五の書くと、また唐沢氏からお叱りを受けそうなので、確認のメールをさせて戴いた。どのようなご返答が戴けるか、大変楽しみである。以下はその全文。

唐沢俊一様

貴方の著作『新・UFO入門』を好意的に書評されていた新戸雅章氏がやはり、貴方の「無駄転載」に気付いて、このように書いています。

http://blog.goo.ne.jp/tesla1856/e/18f00fbae97c8256df0f508db9b53ec7

巷には「アダムスキー」関連の資料は溢れておりますし、貴方がお持ちでなはずはない。
なのに、これまた参考の為にコピペして「自分ならこう紹介したい」という分に手を加え、そのまま忘れて掲載したと言うことですか?

名を捨てて実をとると言う言葉がありますが、「盗作」からのがれるために自分を「無能」「健忘症」と位置づけたいご様子。非常に分かりやすい方だなあと微笑ましく思っております。
うらどりの為に直接お尋ねしています。「創」であれだけ啖呵を切っておいて、「貴方(唐沢様)に対し悪意を持った言辞をネットですでに発言している相手とは話しあう義務も必要性もない(弁護士談)」なんて逃げないで下さいね。
なお、このことは私のサイト(1日2500ページビュウ)に掲載し、経緯を逐一報告してまいります。

よろしく。                          藤岡真


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