◇予防が大切--ウィメンズクリニック・かみむら(岡山市)上村茂仁さん(48)
性感染症は性交もしくは性交に準ずる性行為で感染する病気の総称です。HIV感染症やクラミジア、淋(りん)病、性器ヘルペスなど10数種類以上に及びます。
性感染症の中で多いのがクラミジア。クラミジアは性行為とオーラルセックスによって感染します。女性の場合、おりものが黄色くなったり、排尿したときに痛みが出るという人もいますが、8割近くは無症状です。
クラミジアは最近、注目されてきたため「拡大している」というような言い方がされますが、数年前から相当に広がっています。判断が難しいのは症状がないことです。性教育がしっかり浸透して、子どもたちや若者が「自分は性感染症ではないか」と思って検査に来れば来るほど、(数字が)増えるわけです。
私が04年に厚生労働省の研究で実施した際のデータでは、岡山の10代の性交経験のある女子の10人に1人がクラミジアに感染していました。
クラミジアは不妊の原因になります。また、女性は腹腔内に広がって強烈な腹痛に襲われることもあります。治療は抗生物質を1回飲むだけですが、予防が肝心です。コンドームが有効ですが、装着の仕方が問題。きちんと装着していればまず感染することはありませんが、オーラルセックスの際にも装着するなど注意が必要です。【佐藤慶】
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04年10月開業。上村さんは年間約120校で性教育の講演を続けている。青少年からのメール相談も1日平均150通を超える。
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毎日新聞 2008年1月22日