2008年2月16日 掲載
 
復活、いきなり3発 松井、実質キャンプイン 「力強い」新監督評価 フリー打撃「打つ方問題ない」
 

今季渡米後初のフリー打撃で、満足げなヤンキース・松井選手=タンパ(共同)
 【タンパ15日=ニューヨーク支局杉山圭一郎】ヤンキースの松井秀喜選手がレジェンズ・フィールドでバッテリー組のキャンプに参加、フリー打撃でいきなり三発の柵(さく)越え弾を放った。右ひざの不安を吹き飛ばす鋭いスイングに首脳陣もびっくり。レギュラー剥奪(はくだつ)を示唆していたジラルディ新監督にゴジラ復活を強烈にアピールした。

 タンパの青空の下、心地よい打球音が響いた。序盤は感触を確かめるように軽くバットを振り、慣れてくると徐々にスイング速度を上げた。

 最初の柵越えは二十スイング目。新設されたライトスタンドに吸い込まれると、客席から歓声と拍手がわいた。結局、三十七スイングで三発。故障中とは思えない迫力に、キャッシュマンGMやロング打撃コーチらがうれしそうな笑みを浮かべた。

 この日のフリー打撃は想定外だった。手術した右ひざは完治しておらず、前日までは「(フリー打撃は)まだ先になるでしょう」とスロー調整を宣言。だが、球場入り後に渡されたフリー打撃のローテーション表にMATSUIの文字。「とりあえずやってみました。あの程度なら打てるという感じ」とあっさり振り返ったが、打球の伸びは、ポサダ捕手を上回っていた。

 ジラルディ監督にもゴジラ健在を大きくアピールする結果となった。練習後の会見では「スイングは力強く、ドライブ回転の良い打球が飛んでいた」と評価。キャンプ中の完全復活に手応えをつかんだのか、「焦らずに調整してくれればいい」と語った。

 20日の野手組キャンプ初日を待たず、実質キャンプインした松井選手は、翌日以降も本拠地でトレーニングを続ける。「打つ方は問題ない。あとは守備ですね」。復活の道のりはそう遠くないかもしれない。

 
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