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韓国人被爆者への健康管理手当支給が確定 最高裁
長崎で被爆したが、昭和55年に離日したことを理由に被爆者援護法に基づく健康管理手当を打ち切られた韓国人被爆者の故・崔李●(=轍の車をさんずいに)さん(平成16年死亡)の遺族が、長崎市に未払い分を求めた訴訟の上告審判決が18日、最高裁第1小法廷であった。泉徳治裁判長は、崔さん側敗訴の2審福岡高裁判決を破棄、市に支払いを命じた1審長崎地裁判決が確定した。
旧厚生省は昭和49年、「国外に居住地を移した場合、手当は支給しない」とする通達を発出。崔さんは昭和55年に再び来日して手当を1カ月分支給されたが、その後出国したことを理由に打ち切られた。
2審判決は「出国当時、手当の受給権はあったが、時効で権利は消滅した」と判断していた。
泉裁判長は「法律上、明確な根拠のない通達に基づいて支給を打ち切られた者に対し、時効を主張することは許されない」との同種訴訟の最高裁判例を引用し、崔さん側の請求を認めた。
長崎市は昨年、崔さん側に利息を含めた未払い分約306万円を支払い、最高裁では争っていなかった。