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「襲われた食卓−毒ギョーザ事件」(上)中国産アレルギーに拍車 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒問題
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「状況証拠から見ると犯罪性がかなりある」(舛添要一厚生労働相)
警察当局などの調べで、何者かが天洋食品の工場内で冷凍商品に故意に殺虫剤を混入したことが確実となり、重要閣僚からは踏み込んだ発言が相次ぐようになった。
「科学的な証拠に基づいた解明」(泉信也国家公安委員長)など、日中当局の調査を、まだ待たなければならないが、福島、徳島両県では有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」の混入も確認されるなど、事件が日本人の“中国産アレルギー”に拍車をかけたことは間違いない。政府があわてて食品安全担当の政府職員の中国常駐を決めたのもそのあらわれといえる。
メタミドホスは昨年、中国で禁止されたものの、闇ではまだ流通しているとされる。五輪開催を控えた中国に人為的混入を許す危険性が残されている可能性さえ浮かびあがる。
「普通の野菜も洗剤で洗うのが基本。2週間前に買ったネギや青菜が青々と新鮮な状態にあるのを見ると、相当量の防腐剤が入っていることが分かる。安心して食べることができる中国の食品は限られている。日本人は肝に銘ずるべきです」
北京在住の日本人の会社員(29)はそう話す。北京では、事実関係が淡々と伝えられるだけで詳細は報じられていない。会社員は、インターネットで日本のニュースを探す毎日という。
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中国製ギョーザ中毒事件は発覚から、2週間が過ぎた。昨年相次いだ産地偽装に続く「食の事件」に、消費者の怒りは頂点に達している。日本の食卓を襲った事件の影響を報告する。