老後の住まいとして関心が高まっている介護付き有料老人ホームについて、読売新聞社は、医療や認知症ケアの体制などに関する全国調査を実施した。
その結果、ターミナルケア(終末医療)を行えるというホームが全体の約半数に上り、ニーズの高まりを受けて体制整備を急いでいる傾向が明らかになった。国もこうした動きを重視、有料老人ホームでの看取(みと)りを支援するため、実態調査を進めている。
調査は、全国の介護付き有料老人ホーム2086ホームを対象に、昨年12月に実施。814ホームから回答を得た。
「ホーム内で最期を迎えたいと希望する人に、ターミナルケアを行って応えることができるか」を聞いたところ、「できる」と回答したホームは47%。「できない」は8%、「どちらとも言えない」は44%だった。
ターミナルケアを支える夜間の医療体制については、71%が「24時間体制で往診してくれる協力医がいる」と回答。夜間の看護体制については、「常駐」は16%だったものの、必要に応じて駆けつける「オンコール体制」は65%だった。
医療費抑制で長期入院の是正が課題となっていることなどから、厚生労働省は2006年、特別養護老人ホームを対象に介護報酬の「看取り介護加算」を新設、医療機関以外での看取りを推進している。調査では、有料老人ホームにも加算の適用を求める声が強かった。同省では、「看取りのニーズは今後ますます高まることが予想される。現在、国が進めている調査の結果を受け、報酬の見直しやターミナルケアのあり方などを検討したい」(老健局)としている。
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