コアラ会員の皆様、
そして、コアラを支えてくださった周囲の皆様

 ニューコアラ運営委員会は、6月19日(月)運営委員会を開催し、今後を以下のように進めることと致しました。


                           平成12年6月20日

 コアラは新たに株式会社を産み育てます。

(要旨)

  1. 任意団体ニューコアラを運営するニューコアラ運営委員会は、インターネット接続やメール、パソコン通信サービスなどのコミュニケーション事業(収益事業部門)を新しく作られた株式会社コアラに移管し、ユーザーの方々は株式会社コアラからサービスのサポートを受けることとなります。
  2. これにより、ユーザーサポートに必要な資金・人材面での拡充・安定化を図り、より上質のコアラサービスを会員の皆様に提供すると同時に、新規のサービス開発にもより積極的に取り組み満足度を高めるように致します。
  3. 株式会社コアラは、過去の思想を大事に地域興しに力点を置いた、「CAN(コミュニティ・エリア・ネットワーク)で地域を楽しく!」をモットーとする会社といたします。
  4. さらに、全国的な"ITによる地域社会の経済的な活性化期待"の高まりを受けて、本来の地域興し運動を経済的な活動に広げることと致します。
  5. 今までの任意団体ニューコアラは、以降は非営利の収益を伴わない地域興し活動を行いますが、2000年10月に(財)サントリー文化財団との共催で情報化と地域興しをテーマとしたフォーラム"ハイパーフォーラム「地域は舞台」in大分"を計画しています。

 コアラは1985年5月平松守彦大分県知事の一村一品運動に呼応して後藤国利会長をリーダーに情報化版地域興しとしてスタート、15年間にわたって「地域のコミュニティネットワーク(CAN;コミュニティ・エリア・ネットワーク)づくり」に励んでまいりました。

 その間、様々な活動成果をあげてきたと外部から高く評価されております。例えば、過去のコアラノウハウによるCAN構築実績事例

 1987年 日本初の本格的電子会議システムによるCAN構築
       (富士通と共同)

 1989年 日本初、あるいは世界初のパケット通信による情報道路
       「豊の国ネット」構築 (インテックと共同)

 1994年 日本初の地域インターネットISPシステム構築
       →個人ホームページ「One person,One homepege」開始、
       「一村一品バーチャルショップ」等をいち早く開設

 1996年 通産省と大分県の事業にNTTのマルチメディア実験を
       組み合わせた日本初の光ファイバー型地域ネット(ハイ
       パーネットワーク)構築
        → NTTのOCNサービスを生む原動力となる
        → 日本初、世界初(?)のインターネット放送スタジオ設備

 1997年 同上の一環として、インターネット光ファイバーが張り巡らされた
       アーケード街であるマルチメディア商店街「セントポルタ中央町」構築
       インターネット型(OCN利用)の地域情報道路「第二次豊の国ネット」実現

 1998年 地域ネットで最初にローミングサービス開始

 1999年 ISPで日本初の有害情報カットシステム「キッズコアラ」始動

 1999年 日本で最初にADSLサービス開始。世界で最初の電話重畳利用型。

 1999年〜2000年 某地域にて総合的次世代型地域ネットのコンサルタント担当 

 等であり、これらは、例えばサントリー地域文化賞や通産省のマルチメディアグランプリの受賞、等として国内外に高く評価していただきましたし、これらの活動やノウハウが国家レベルの研究所である(財)ハイパーネットワーク社会研究所(郵政省、通産省,大分県の三者共管)の大分立地を実現させしめた一因であったと言えるでしょう。

 また、それらの活動は、「未来の情報化社会は、市民・株式会社・行政の三者混合型の市民主導の新しい情報化運営推進組織である"情報市民公社"が制度的に実現するこが理想である」という益田米二氏の構想を受けて、その実現を目指してきたことも国内外で評価 され、世界的にも長い歴史を持つ地域ネットとして発展させえたことだ、と、評されております。

 一方、コアラの活動に加わられた方や、あるいはそこから作られたいわゆる情報サービスを使う立場の方々の数が多くなるにしたがって、運営体・組織のあり様も時間と共に変化をしてきました。

 その経緯は以下の様に紹介されます。

◆1985年5月〜1993年3月

COARA(大分パソコン通信アマチュア研究協会)として30人で発足。
この時の支援団体----(社)大分県地域経済情報センター、青年会議所、大分経済同友会、豊の国づくり塾、日本経済勉強会(当時の日本銀行大分支店長、元南原日本輸出入銀行総裁を囲んでの勉強会)

◆1993年4月〜2000年3月(予定、決議は6月になされる予定)

 ニューコアラ(newCOARA)----前身のCOARAが会員数2000人に達したとき、運営を会員の総意が得られるのを待って意思決定するのではなく、より専門的先進的に行えるよう、組織を改組。運営専門に運営委員会を設け、その運営委員会とコアラ会員が利用契約を結ぶ形態。

上記の主要構成役員は、

コアラ名誉会長  平松守彦 (大分県知事)

ニューコアラ運営委員会

会  長  後藤国利(臼杵市長、情報化推進自治体代表)
副会長   歴代の(社)大分県地域経済情報センター専務理事
      (大分県庁の歴代の部長OBが就任)
委  員  宇津宮孝一(大分大学教授、学識経験者)
      小手川強二(フンドーキン醤油社長、企業利用者代表)
      吉村恭彰 (アステム社長、広域利用者代表)
      鶴田浩一郎(ホテルニュー鶴田社長、利用業界代表)
      山崎佐和子(やまばと幼稚園理事長、女性利用者代表)
事務局長  尾野徹

 そして、2000年6月、ニューコアラ運営委員会は、別途「株式会社コアラ(COARA)」を発足させ、その収益事業を株式会社に全面的に移管してサービスを強化・発展させていくことにいたしました。

 その理由は、上記のような経緯を持つコアラであるが、

  1. 現状、あるいは今後の地域興しが従来の普及活動に代表される福祉的活動のみならず、経済的な地域興しの側面を強く求められつつあること(IT部門には特に)をも鑑みて、地域興しを第一に考えつつ、株式会社を併設した経済活動を行う。
    → コアラ会員がコアラを対象に経済活動を行うことや、例えばホームページ作りなどSOHO的なことから様々あります)
    → コアラ会員や地域の方々がコアラが過去作り上げてきたノウハウや人脈をつかってビジネスを起こすことも、(面白い企画を持ってきて下されば様々な方々を紹介できるでしょう)
    → ベンチャーを支援すること、(ADSLの1年間無料貸し出し、など行います)
    など、様々に考えていきたいと思います。
  2. 任意団体・ニューコアラはそのまま別途存続します。(役員が改選されます)
    今までの任意団体・ニューコアラが以降も行う地域興し的情報化運動と、株式会社活動の二つの性格をうまく活かした幅広い活動を考える時期になったと考えられます。
    また、過去の15年間を支えたNPO活動が情報市民公社構想などにより近づくことを期待し、過去のコアラの枠組みを越えた新しく大きな地域情報化運動となるよう発展させます。
    → 情報化組織がコアラだけでなくなっていること。例えばISP事業では他のいくつかの企業がサービスを行い始めていること。(おかげさまで大分は日本の中でも有数のネット利用環境先進地となったようです。これはコアラの活動の結果であり成果であると、これも外部から高く評価されておりますが)。
    つまり、既存の情報化普及活動を既存のコアラの枠組みを緩めて行うことが求められます。
    → それらはここ数年、地域単位のメーリングリストをコアラの枠を越えて主催する、等々と行ってきましたが、より大きな考えが必要に思えます。
    → 10月中旬にサントリー文化財団と任意団体ニューコアラとの共済で、地域興しと情報化を考えるフォーラムを計画中です。
    → かねてより唱えてきた「福岡〜大分マルチメディア観光回廊構想」など、株式会社では対応できない大きな地域づくりを目指します。
    なお、任意団体・ニューコアラの今後のあり方は、新しい役員にて考慮していくことになります。
  3. 「地域の情報化=CANの構築」が(コアラが従来行ってきた県という単位だけではなく)、市や町村単位、あるいはそれらの複合地域単位、街単位、学校単位、企業コミュニティ単位、など様々な形態の対象が昨今見受けられ、それらの要望に迅速に応じるためには、従来のボランティアだけでの支援のみでなく、よりパワフルで人材豊富な形態での支援が求められると推察され、株式会社的支援がより望ましいと考えられます。

    一方、既存のコアラの運営状況とユーザーサービスは、
  4. 規模が大きくなるに従って、収支のみを考えた運営だけでは組織が運営できない状態下となりつつあり、資金需要をしっかり考え計画できる形態、即ち現状では株式会社的な運営が必要になってきました。
    特に、大分県のマルチメディア地域実験サポートによる会員数の増加によって発生する収益に伴う納税は、株式会社と同様に計算されており、収入とは別途の資金需要・資金調達が求められ、株式会社の如く資本金を集めて対処する等のことが早期に求められています。
    (任意団体のままで、今まで15年間、お金をどこからも借りずに運営できたことは、多大なボランティア的なお付き合いを周囲の方々にお願いしてきたからであり、その取引き規模が大きくなるに従ってそれらのお願いが難しくなってきているとも言えます)
  5. そして、ニューコアラの会員数が10,000人に達するようになり、より専門的に運営することが求められはじめた。
  6. そのためには、優秀な人材を安定的に雇用する必要があるし、先行的な投資もきちんと行われる仕組みが求められる。
  7. また、他の企業などとの連携も、当方が任意団体では困惑することもあり、グローバリゼーションの中での提携がきちんと行われるためにも株式会社化が求められる。

 ということから、株式会社コアラは、6月19日に行われましたニューコアラ運営委員会の議決にて活動を開始し、とりあえず以下のように最小構成(株式会社を発足させる最小の条件でつくられたもの)でニューコアラの収益事業を引き継ぐことからスタートされます。(詳細な引き継ぎ手続きなどは今後の作業となります)

 なお、本来、株式会社であっても過去15年間リーダーであった後藤国利会長が、トップとして機能すべきところですが、後藤会長が現在、公職である臼杵市長でもあることから以下のような構成でスタートすることにご理解下さい。

 そしてスタート後、周囲の状況を鑑みつつ今後の経営形態、事業展開を詰めるものとします。

商   号    株式会社コアラ

本店所在地    大分市東春日町17-20 第二ソフィアプラザビル1F

資本金の額    1,000万円(今後状況に応じて増えていくものと思われます)

決 算 期    1年決算、3月31日

代 表 者    尾野 徹

監 査 役    林 三正 (林会計所長代理)

発起人・株主   尾野 徹 1名(今後状況に応じて増えていくものと思われます)

  

また、任意団体のニューコアラ運営委員会は、以下の様に役員改選が行われました。

   会  長     尾野 徹

   運営委員     山崎佐和子

             永野美恵子 (主婦の利用代表)

             菅 健一    (豊の国づくり塾代表) 他

   事務局長      森 晴繁

 以上のことから、今後は、任意団体である"ニューコアラ"が"株式会社コアラ"を産み育てつつ、共に手を携えて地域情報化を推進していきます。

 過去、平松守彦大分県知事をはじめとして、多くのボランティアで支えてくださった方々、特に運営委員会の委員の皆様には物心両面で力強く支えて下さいましたが、多くの皆様に今までのお礼を申し上げると同時に、今後の活動へのご支援を心よりよろしくお願いいたします。

                    ニューコアラ運営委員会 旧事務局一同

                    株式会社コアラ