愛知県安城市のスーパーで2005年2月、幼児ら3人を殺傷したとして、殺人罪などに問われた無職氏家克直被告(37)の判決公判で、名古屋地裁は18日、懲役22年(求刑同30年)を言い渡した。
伊藤新一郎裁判長は起訴事実を認定した上で、判決理由として「被告は犯行時、統合失調症を発症し、心神耗弱状態だった」と指摘した。
論告などによると、氏家被告は05年2月4日、安城市のスーパー「イトーヨーカドー安城店」でナイフを万引し、ベビーカーに乗っていた同県岡崎市の青山翔馬ちゃん=当時(11カ月)=の頭部を刺して殺害。近くにいた翔馬ちゃんの姉(6)や別の女性(27)をけるなどしてけがを負わせた。
弁護側は、統合失調症の影響で幻聴や妄想があり「包丁で刺せば死ぬかもしれないという推認もできず心神喪失だった」と無罪を主張していた。
氏家被告は計4回の精神鑑定を受けたが、結果は一致しなかった。