福島放送局

2008年2月17日 20時13分更新

地域医療を考えるシンポジウム


地域医療の課題について考えるシンポジウムが17日、いわき市で開かれ、医療機関による救急患者の受け入れ拒否の問題などが話し合われました。

このシンポジウムは、いわき市の医師会と歯科医師会、それに薬剤師会でつくる団体が開いたもので、医療関係者や市民などおよそ150人が参加しました。
はじめに、平消防署の松崎正救急第二係長がいわき市内の救急搬送の実態について報告しました。

このなかで松崎係長は、医療機関から3回以上受け入れを断られたケースが平成18年度には全体の13点5%にのぼり、3年間で2倍以上に増えたと説明しました。

そのうえで、「救急車を呼ぶ人のおよそ半数は軽傷という状況なので、ひとりでも多くの重傷患者を救うためにも救急車の適正な利用を呼びかけていきたい」と述べました。

続いて、参加者がそれぞれ意見を発表し、このうち、福島労災病院の医師は、「自分の病院ではここ数年で勤務医が10人以上減るという厳しい状況が続いている。
受け入れを拒否しているわけではなく、夜間1人の当直態勢では入院患者への対応で手いっぱいだということを理解してほしい」と述べました。

また、市民の意見として、消費者団体の役員からは、「救急車を呼ぶべきかどうかを電話で問い合わせることができる身近な相談窓口があれば助かる」という要望が出されていました。