<WORK LIFE>
◇男性の有給育児休暇を延長
子ども向けの通信教育などを手がけるベネッセコーポレーションは、有給の育児休暇制度の充実を進めている。男性社員の育児参加を促すため、06年12月に導入した有給の育児休暇を、07年4月には2週間から3週間に延長した。男性社員からは「収入減を気にせずに済み、安心して子育てにかかわれる」と好評だ。
子どもが1歳を迎える年度の終わりを限度として、いつでも好きな時期に取得できる。取得中でも基本給や各種手当は、満額が支給されるため、収入面の影響は残業代がなくなる程度だ。
ベネッセには元々、無給の「育児休業制度」があったが、男性社員の取得率はゼロだった。しかし、有給化したことで、対象者の3割以上が育児休暇を取得するようになった。
育児休暇を有給化して育児参加を促すのは、ベネッセが発行する子育て雑誌では男性の育児参加を呼びかけており、「当社の男性社員は率先して育児にかかわるべきだ」と考えたからだ。男性社員が直接、育児を経験することで、仕事の幅を広げる効果も期待しているという。
ベネッセは、社員に占める女性比率が6割と高く、社内に保育施設を備えるなど「働くお母さん」への支援制度が充実していることで知られる企業だ。女性社員の出産後の復職率は9割に達し、仕事と家庭を両立させるのが当たり前の社風だ。
人財部の鬼沢裕子さんは「同僚が、育児休暇中の社員の仕事をカバーする環境は整っている」と話す。4月からの新年度に合わせて、育児休暇の有給期間を延長することも検討している。【宮島寛】
毎日新聞 2008年2月18日 東京朝刊