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認知症の福祉機器を一堂に 埼玉・所沢に展示館オープン 「薬飲み忘れ」「水漏れ」防止 (2/2ページ)
▽患者は急増
同センター研究所の井上剛伸福祉機器開発部長は「欧米では開発が進んでいるが、日本では存在自体がほとんど知られていない。認知症の人のできることを引き出して、足りない部分を機器が補うという発想で活用してほしい」と話す。
ただ、症状が進行すると、使用方法自体が分からなくなることもあるため、対象は軽度や中度の人が中心になるという。機器がもたらす効果の研究や新しい機器の開発も進めており、3月にはホームページ上にデータベースを載せる予定だ。
厚生労働省によると、国内の認知症高齢者は、
2025年には現在のほぼ2倍の323万人に急増するとみられ、介護者の負担軽減にもなる福祉機器のニーズは高まりそうだ。
展示館を見学した若年認知症患者の中村成信さん(58)=神奈川県=は「こんろの火を消し忘れることがあり、怖いという思いで台所から遠ざかってしまいがちだった。消し忘れ防止機能があれば、安心して台所に立つことができる。患者や家族の意見を取り入れて開発が進めば、ありがたい」と話している。
展示館見学には事前の予約が必要。二週間程度のレンタルにも応じる。問い合わせは同センター、電話04(2995)3100。