ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン佐賀> 記事

アラーキー 本紙女性記者を激写!

2008年02月15日

写真

荒木さんが撮影した記者(写真集「佐賀ノ顔」より)

写真

同僚が撮影した記者

 「顔は究極のヌードだ」と言う荒木さん。顔ならいい記念になる。天才・アラーキーはどんな表情を引き出してくれるのだろうか。撮影に応募し、参加してみた。(岩本美帆)

 参加したのは佐賀玉屋での撮影。会場に着くと現場は熱気に包まれていた。「ずっとファンでした」と花を差し出す女性、そろいのTシャツを着てきたグループ……。モデルも様々だ。

 ずらりと並んだ待機用のいすに、あらかじめ指定された撮影時間ごとに並んで座る。いすの目の前2メートルほどの距離でカメラを構え、被写体に向かっているアラーキー。トレードマークのサングラスに、両サイドの毛がはね上がった髪形。当たり前だが、写真で見るのと一緒だ。

 撮影の様子を目にして圧倒されたのは、そのパワー。「イェーイ」「いいねー」などと声をあげながらモデルに向かって冗談を次々繰り出す。声をかけながらも、合間に跳びはねるようにシャッターを切っていく。

 こわ張った面持ちのモデルたちも、話しかけられるとなぜか、リラックスした表情になる。特に女性は、つやっぽい顔に変貌する。

 感心して見ているうちに自分の番。普段、他人にカメラを向けるのは慣れているが、向けられるのはほとんど経験がない。緊張する……。

 白い背景の中央に置かれたいすに座る。スタッフの人が「記者さんですよ」と荒木さんに耳打ち。顔面が固まってしまって目がつり上がってしまった私に、すかさず、「社会部だね、この目つきは」と荒木さん。思わぬ声かけに、気持ちが緩む。「あ、やわらかくなった。生活なんとか部になれるよ。はい、やさし〜い、そう!」

 シャッターを切られたのは10〜15回。あっという間に撮影は終わった。ファインダー越しに見えた荒木さんの目は、真剣だけど優しかった。

 それから5カ月後。写真集「佐賀ノ顔」が送られてきた。掲載された私の顔は……怖かった。けんか腰のようにこちらを見据え、顔もまん丸い。僭越だけど、後輩が撮った写真の方が可愛い。

 でも、じっと見ていると、こんなにも自分の内面を表す写真はないのではと思えてくるから不思議だ。職業柄、普段、こんな顔つきで仕事をしているのだろう。

 他のページを繰ると、みんな、いい表情をしている。わずかな時間で大勢の人間の内面をのぞかせるような写真を撮るなんて、きっとアラーキーにしかできないのだろう。

ここから広告です
広告終わり

このページのトップに戻る