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消費者関連法は不備だらけ 中国製ギョーザ中毒で浮き彫りに (2/3ページ)
このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒問題
過去の毒物混入事件で法整備されながら、その後、必要な防止策が講じられておらず、行政の不作為といえるケースもある。
昭和62年に施行された「流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法」は、菓子から青酸ソーダが検出された森永・グリコ事件(昭和60年)を教訓に議員立法で制定された。
条文では国に毒物混入の防止策を講じるよう求めているほか、警察官や海上保安官に対しては、毒物混入を確認した場合に関係行政機関への通報を義務付けている。
しかし、行政機関の対策はこれまで、業者への巡回指導にとどまり、今回のギョーザ事件で通報態勢が不徹底だったことが露呈した。消費者問題に詳しい中村雅人弁護士は「中央官僚にとって議員立法は自分たちが苦労してまとめた法律ではないため、法律を担う所管官庁としての自覚がない」と批判する。
昭和23年施行の「食品衛生法」も制度疲労を起こしている。中村弁護士は「行政は食中毒症状を起こす細菌の検出ばかりを見ていて、検出されないと『問題なし』と判断する」として、保健所の判断能力が硬直化している現状を指摘する。