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消費者関連法は不備だらけ 中国製ギョーザ中毒で浮き彫りに (1/3ページ)
このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒問題
福田内閣が消費者行政の一元化へ急ぐ中、中国製ギョーザによる中毒事件は組織のあり方だけでなく、現行の消費者関連法が機能していない現実をも浮き彫りにした。現行法には「消費者の利益保護」の観点が欠落しているうえ、法で定められた具体策が講じていない事例もある。自民党は法体系が未成熟として見直しを求めているが、福田内閣は関連法の整備にも迫られている。
消費者の利益保護の観点が置き去りとなっているのが、平成18年4月に施行された「公益通報者保護法」。同法の趣旨は、従業員が消費・賞味期限の偽装など事業者の不正行為を目撃した場合、被害拡大を防ぐため、外部に告発しても解雇などの不利益を被らないよう保護するものだ。
しかし、通報者は不正行為をした事業者の社員に限定されているうえ、行政機関などへの通報も、不正行為として信じられる証拠や理由などを示す必要があるからだ。さらに、通報対象は罰則のある法律に限られる。
公益通報者保護法の制定過程で、内部告発者による「密告」を懸念した産業界に過剰に配慮された結果、被害拡大を防ぐという消費者保護の視点が欠落しており、ギョーザ事件を受けて自民党内には、同法の見直しを求める声が強まっている。