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「工場こそ最大の被害者だ」天洋食品が公開 毒ギョーザ
このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒問題
【石家荘(中国・河北省)=野口東秀】中国製ギョーザによる中毒事件で河北省出入境検査検疫局とギョーザの製造元の「天洋食品」などは15日、記者会見し、底夢路工場長は「われわれこそ事件の最大の被害者だ」と述べ、工場内での毒物汚染は「不可能」と言い切った。また、報道陣に初めて工場内を全面公開した。
底工場長は、同社の製品すべてが日本向け輸出である点を指摘、「(天洋食品は)経済的に甚大な損失を受けた。名誉も巨大な損害を被った」と強調し、「工場内に(毒物を)持ち込むことは不可能」と完全否定した。
待遇などを不満とした従業員犯行説を意識し、「福利待遇は平均より高い。労使紛争も近年はない」と強調した。同省農業庁の担当者も会見で農薬管理を厳格に実施してきた点を表明した。
工場では、「通常の手順」としてカメラ以外の持ち込みは禁じて専用服を着用させ、消毒作業を受けさせた。生産から包装過程、倉庫を取材させた。工場側は厳格さをアピールしたが、少量の“物体”をひそかに持ち込めないことはないようだ。
日本で工場での「故意の混入」説が濃厚になる中、管理体制に問題がないことを強調し、日本の消費者の不信感を払拭(ふっしょく)したいとの思惑が同社にはある。日中間の外交や貿易への影響を抑えたい中央政府の指示によるとみられる。