キ 危ない1号/第1巻・第2巻 「妄想にタブーなし」という言葉で始まり「この世に真実などない。だから、何をやっても許される」というハッサン・イ・サバーの言葉で序文の始まるこのシリーズがもし日本に現れてなかったら……と思うと身震いしてしまう。その他の鬼畜モノでは補えない溜息まじりの憮然とした“知”のミックスが感じられるのはやはり青山正明が(どのようなことをしているのかは知らないけれど)編集長であるゆえだろう。ボクは『GON!』や『世紀末倶楽部』のように「すげーだろ、ウケケケケ…」で終わってしまうノリも好きだけれどもの足りないのだ。第1巻では特集記事の感動的なドラッグ情報、含む-テクノ(“飛びの経験が1度もなければ、オウムなんかにコロッと洗脳されてしまっても当然”)以外に、むしろより注目を浴びた「ゲスな読み物いろいろ」とタイトルのつけられた後半記事、殺人請負組織・犯罪者の言い訳・被差別音楽・死体処理実績講座・風俗嬢日記、渡辺文樹インタビュー、村崎百郎による「ダスト・ハンティング=霊的ゴミ漁り」、青山正明による「惰眠のススメ」などが収録されていて、この後半記事のノリを特集として仕立てあげたのが、“誰も教えてくれなかった“世も末”のお楽しみ/鬼畜系カルチャー&アミューズメント入門講座”特集「キ印良品(き〜ん良品)」第2巻だ。殺人/死体・変態・ボディアート・フリークス・コミックス・読書・デジタルネットワーク・盗聴、そして奴隷男飼育法、東京殺人現場巡礼マップ、山野一インタビュー、強姦チーム、痴呆性老人看護日記、そうそうたる記事の嵐だ。しっかしこーゆーのがあっという間に消費されてもはや「ふ〜ん」としか思えなくなるというのも凄い話だよね。当時は世界が閉塞感に満ちていて脱出口もなんもわからない大変な時代だったと思う。こういった類の本が規制でもされて出版されてなかったら、世紀末は犯罪の嵐だったと思うな、今とは比べようもないほどにね。で、こういう本をここで初めて知って更に興味があるぅ、とかいう人は「BLACK BOX」に直行しよう!

キ 危ない1号/第3巻・鬼畜ナイト「世紀末倶楽部2」で“全部やり尽くしちゃって「世の中、面白いことなんかないじゃん」って言ってる子達にこんな面白い事がまだあるんだよって言うのを提示して行ければなぁ、と思いますね”と、感涙ものの台詞を吐いて、“3号の特集は快感なんですよ。たとえば入浴は気持ちがいい。入浴しながら放尿、するともっと気持ちがいい。ところが(…)大人になると、すんなりできない。(…)窮屈な抑圧から魂を解き放とうよって感じで(…)”そんなことを語っていながらも逃げてった(笑)青山正明に変わって吉永嘉明が編集長となり完成された第3巻は、快感特集だ。マッパ・アナルセックス・ムチ・おもらし・ラバー・指詰め・筋力トレーニング・整形といったものからおなじみのクスリ(スマートドラッグ・プロザック・睡眠薬)やテクノ原稿などがあり、異色なのが24時間耐久セックス、ノンケおよび初心者のための正しいハッテン講座-一億総ゲイ化計画、そんな内容のすてきな本だ。更には佐川一政によるカニバリズムの快楽、根本敬の堂々8ページに渡るイラストを超えたイラスト、とやはり読みどころ充分。ただ感じるのは、青山正明不在ゆえの(原稿は載ってます)データ無差別羅列感というか、思想性は低いかな〜と。それはそれで特集=快感というものにマッチしてるんでまぁいいんだけどね。とにかくこれで『危ない1号』も終了か、とだれもが思っていてだれもがそれを確信した頃にでたのが本当の最終巻である『危ない1号/第4巻』で、それについてはリンク貼ったボクのページに譲ります。ところで時間は逆行するけれど、第2巻と第3巻の長いインターバルの間にでたのが『鬼畜ナイト』という「イベントでのトークを活字化した内容の」本で、やっぱり「危ない」を追求していくとまずこれ系にたどり着くべきというか、この本で語られる“カタ○を使ってカネ儲け”“ヒトを素直にする法――穴掘って埋める”“交通事故でカネ儲け”といったマジもんに足を踏み入れていかないと「やっぱ、世の中、面白いことなんかないじゃん」って言ってる子達は満足しないよな〜と思うわけで。ゲストはこじままさき・柳下穀一郎Link・夏原武・根本敬・佐川一政・ダイヤルK2・釣崎清隆・アルバロ=フェルナンデス・小沢豊・宇川直宏・友沢ミミヨ・石丸元章・クーロン黒沢Linkで、司会(?)が村崎百郎と青山正明。青山正明さんのこれまでの出版絡みの過去も知れて要チェキだね〜。












青山正明・情報局

■インタビューがKALEIDOSCOPEというHPで読めます(終了)
■「VIDEO INSIDER JAPAN」という業者向けのレンタルビデオマガジンの“独断流 星取り合戦”という映画のクロスレビューコーナーに評を載せています。そこでの本人の一言によると、小説家宣言をした、ようです(肩書きは文筆家)。
小説のテーマは「諦観」・・ウィルソンやディックを超える幻想的&学際的「Xのアーチ」と目標はとてもデカいです。
■「はみだし大王」のとこに雑誌『Hey! Buddy』のレビューがあったような(いや、どうだったかな)

■ご冥福を祈ります(1960-2001)

追悼

「FOCUS――2001,27号(7/18)」からの全文抜粋
「危ない薬」――青山正明著
「自殺されちゃった僕」――吉永嘉明著(2006.3.18)

当サイト内 関連ページ

「世紀末倶楽部」1996.6-2000.2
「危ない28号」1998-1999

青山LinK

KALEIDOSCOPE
http://dreamcity.gaiax.com/home/kareidscoop/main
「シャバはいいけどシャブはいけませんー帰ってきた? 天才編集者青山正明」というインタビュー記事があった所
nickcage's ~ "GORE GORE BOYS"
ニコラス啓司 presents :『危ない1号』第3巻 のページ有り(関連リンク集付き)
www.jarchive.org
青山正明アーカイヴがあります■■■そこの情報によると…
国内制作初のロリータビデオ『あゆみ11歳 小さな誘惑』1982,8,三田プロダクション に大学生ツトム君役で青山正明出演!
一番上の画像はここからいただきました(黒はーと)
漫画ブリッコの世界
大学生をおおうロリコン症候群 岩田薫(潮1982年9月号)というルポに青山正明が素で登場
唐沢俊一「一行知識」ホームページ
裏モノ日記2001年6月の箇所に青山正明への追悼文
BLACK BOX / BLUE BOX
http://my.reset.jp/~abon/ug/blackbox/CN.HTM
http://blackbox.macintosh.to/CN/CN.HTM
200册くらいの怪しい本を一挙に紹介しているカリスマ・ウェブサイト
http://www.pandora.nu/bluebox/index.html
同管理者によるBLUE BOXのココで「突然変異」からのいくつかの文章が読める(自販機本「HEAVEN」も)
emancipate yourself from mental slavery
ロック中心のサイトで「突然変異」のミニレビューがあります
関心空間
サイバッチ!(E-Magazine)
http://www.dejicon.com/bn/?2001060058771754006868.cybazzi
鬼畜のカリスマ逝く! 青山正明追悼号[06/19]20:45 が読めました
中央学院大学テクノサークル
http://homepage2.nifty.com/techcircle/
http://homepage2.nifty.com/techcircle/aoyama.htm
「青山正明の研究」というイカしたページがありました
元気してますかー 電話でしゃべりましたねー














ここは「危ない1号」「危ない薬」で時代を作った故・青山正明のファンページ。だいーぶ前に《青山正明萌え》というタイトルで始まったページだけど、《青山正明萌え》だなんてさぞかしバッドトリップでもしているかのようなインターネット光景ではなかったかと我ながら、今更ながら、心配していたり。主に2000-2001年頃の文章だけど、去年にあたる2006年のもアリ。最近の関心事はカルマとその連鎖、にもかかわらず業を肯定していくことについて。




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