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| Web現代トップ > News Web Japan > 社会 > 2002.10.30 |
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| 先週のNews
Web Japanでは「女性がパンツを見せる」原因として、ゲーム脳が関わっているということをお伝えした。しかし、ゲーム脳の恐ろしさはそれだけにはとどまらない。 「キレやすい」「集中力がない」「注意力散漫」「羞恥心欠如」「その日暮らし」「無気力」という症状がゲーム脳の特徴である。どこか思い当たるところがありませんか? |
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■ 多くの嫌がらせも殺到 |
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最近、急に脚光を浴びてきたゲーム脳だが、どのような脳の状態のことを示すのだろうか。 両氏の実験の手法は異なるが、同様の結果が出ている。 川島教授の実験結果については、次回詳しくご紹介するが、今回は森教授の成果を中心にお伝えしよう。
「人の脳波、特に高齢者の脳波パターンをたまたま採っていたら、若い人たちとは違っていました。そこで痴呆老人と若い人たちの違いを調べるためには数値化・定量化しなければいけないということになりました。そのため独自の脳波計を開発したんです。そして、実験的にウチの脳波計のソフトを開発した人たちの脳波を採ったんです。そのときβ波が想定した値よりも低かった。検査した8人全員がそうなりました。それ以外の職業の人たちを計ったら、β波が高く出るのです。そこで、彼らは職業的に画面をずっと見ていて、他者とのコミュニケーションがないことに気付きました。画面を見ることで、一見、前頭前野を使っているように思われますが、実際には使っていないんじゃないかと。日常的にコミュニケーションが少ない、家に帰ってもパソコン、家族とも会話がない。そういう人たちだったのです」 |
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■ 老人性痴呆症と同じ脳波パターン |
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そこで、森教授は大学生にゲームをさせて実験してみると、β波が出ない者もいたという。その結果、β波がゲームをしてもまったく変わらないタイプの「ノーマル脳」、ゲームをやると下がるタイプの「ビジュアル脳」、β波が不安定で上下している「半ゲーム脳」、最初から低いタイプの「ゲーム脳」という四つのパターンに分類できたという。この中のβ波が低いタイプは痴呆症の脳波パターンと同様だったという。痴呆症の患者は前頭前野が働かなくなるということは定説になっており、実際、前頭前野の脳波の活動を示すβ波が低かったのである。 「ノーマル脳」のタイプ: 「ビジュアル脳」のタイプ: 「半ゲーム脳」のタイプ: 「ゲーム脳」のタイプ: 「β波は脳の局所的な活動なんです。前頭前野が活動すればβ波がでる。あるいは聴覚野でも音を聴いていればその部分のβ波がでる。脳の局所の部分の興奮を反映しているのがβ波なんです。β波の興奮度が高くなれば、脳が活発な活動しているという目安になる。逆にそこの活動性が悪くなればβ波は低下します。そこで、研究を進めていると、痴呆の方はβ波が低いという結果が出た。高齢者の場合、前頭前野から働きが低下していくのです」 森教授は、携帯メールを長時間やっている人やホラー映画やビデオを長時間見ている愛好者も前頭前野のβ波が低下しているという結果も得た。若くして前頭前野の働きが悪くなることを「若年性痴呆症状態」として、高齢者の痴呆症と同じ状態だと結論づけている(『ゲーム脳の恐怖』NHK出版)。これらの研究結果は、11月3日にアメリカ・オーランドでの脳神経科学会で発表され、それと同時にアメリカの全マスコミで公開されることになっている。 |
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■ 前頭前野がにぶるとIQが落ちる |
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ゲームが精神に悪影響を与えることは、残虐な少年事件が起こる度に囁かれてきた。1997年に日本中を震撼させた「酒鬼薔薇聖斗」事件がある。「さあゲームの始まりです 愚鈍な警察諸君 ボクをとめてみたまえ ボクは殺しが愉快でたまらない」という1通の挑戦状とともに土師淳君の頭部が中学校の正門に放置された。大人たちは「何故、こんな残虐なことを少年が……」と衝撃を受けた。ゲームの影響が行為に現れた事件といっていい。しかし、事件化しないまでも、ゲームは若者たちの脳に深く広く影響を与えていたのだ。 『平然と車内で化粧する脳』(扶桑社)で前頭前野と羞恥心の関係を結論づけた北大医学部の澤口俊之教授は、最近の若者の様子をこう危惧する。 さらに澤口氏は前頭前野の働きの低下で、社会に適応できない人が増えているという。 “すぐそこにある危機”は経済だけではなかったのである。このままでは、もし万が一、不良債権処理が何とかうまくいっても“日本沈没”は間近である。 11月13日号では「チェックリストであなたの脳を検証する」をお送りします。 |
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