鳩山邦夫法相は16日、福岡市で開かれた自民党福岡県連の大会で、鹿児島県議選の買収無罪事件を「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」とした自身の発言について、「志布志のようにひどい取り扱い、理不尽な取り調べを受けた方が『冤罪が晴れた』と言っても、全く反論できないと思ったので、心からおわびした」と述べ、改めて謝罪の意を示した。一方で「天に向かって恥じることはない。今回の冤罪の問題は、(定義について)法務省や検察が常日ごろ言っていることをそのまま言った」と説明した。
鳩山氏は「真犯人が後から現れた場合を冤罪と言い、裁判による無罪は冤罪とは言わないというのが法務省、検察の基本的考え方だ」と指摘。「検察の方は謝るべきでないと思っただろうが、私は自らの気持ちでおわびした」と語った。
鳩山氏は14日の衆院予算委員会で発言を事実上撤回し、「今後、公式の場で冤罪という言葉は一切使わない」と答弁している。【堀井恵里子】
毎日新聞 2008年2月16日 22時10分 (最終更新時間 2月16日 23時15分)