2008.02.10 放送
放置自転車に大迷惑!
今回のテーマは「放置自転車」。駅や繁華街で、ところかまわず放置される自転車は、歩行者の通行のじゃまになったり、救急車などの緊急車両の通行を妨げるなど、様々な弊害をもたらします。ところが、自転車を放置する人は、「たいしたことではない」と安易に考える傾向があります。そのため、放置自転車をやめるように求めても、なかなか解決に至らないんです。
そこで番組では、自転車を放置する人の心理を徹底調査し、解決に結びつける方法を発見!さらに、あるグッズを活用して、放置自転車激減の決定打となるアイデアを紹介します。
ご意見番:和田アキ子
そこで番組では、自転車を放置する人の心理を徹底調査し、解決に結びつける方法を発見!さらに、あるグッズを活用して、放置自転車激減の決定打となるアイデアを紹介します。
ご意見番:和田アキ子
専門家ゲスト:藤井聡さん(東京工業大学教授)
自転車を放置する人の多くは、「放置するのは悪いこと」と知りながら、出来心で止めています。そこで、対策の鍵は、放置する人の「後ろめたい気持ち」に訴えかけられるかにあります。
それは、「放置自転車は悪いこと」と思う気持ちが高まり、相手が自発的に駐輪場に止めたくなる、「きっかけづくり」に重点を置き、対処することです。
東京・北区 赤羽駅周辺の皆さん
赤羽駅周辺は、一昨年の東京都の調査で、都内で一番放置自転車が多い地区となりました。午後4時頃の放置自転車の台数は、およそ5千台。駅前の広場や商店街を、所狭しと自転車が埋め尽くすほどです。
その放置自転車が、今、赤羽に深刻な被害をもたらそうとしています。例えば、救急車が放置自転車のために通行できず、遠回りする事態が発生。さらに、視覚障がい者の方々が、点字ブロックの上に放置された自転車のために、道に迷うことも頻発しています。命を守るための仕組みが、放置自転車によって妨げられ、命を奪うことにもなりかねない状況。そこで、今回、赤羽駅周辺の皆さんがスタジオに参加し、放置自転車を減らし、最悪の町を脱するための方法を探ることにしました。
その放置自転車が、今、赤羽に深刻な被害をもたらそうとしています。例えば、救急車が放置自転車のために通行できず、遠回りする事態が発生。さらに、視覚障がい者の方々が、点字ブロックの上に放置された自転車のために、道に迷うことも頻発しています。命を守るための仕組みが、放置自転車によって妨げられ、命を奪うことにもなりかねない状況。そこで、今回、赤羽駅周辺の皆さんがスタジオに参加し、放置自転車を減らし、最悪の町を脱するための方法を探ることにしました。
○○を置くだけで駐輪場へ
〜東京 自由が丘〜
リポーター 角田信朗(格闘家)
妙案の舞台は、自由が丘駅の南側にある、グリーン・ストリートです。300mあるこの通りは、かつて1400台もの放置自転車が占拠していました。そのため、町のイメージを悪くし、自由が丘南口商店会の皆さんを困らせていました。
そこで商店会が考えたのが、「通りにベンチを置く」というアイデア。「たかが『ベンチ』でなぜ?」と思う人もいるかもしれませんが、ベンチには自転車を放置しようとしても、ベンチに座っている人の視線が気になり、容易に放置できなくなるという心理が生まれ、放置自転車を防ぐ効果があるんです。
それでも、ベンチのない場所に自転車を放置する人がいます。その場合は、商店会で声かけを行ない、駐輪場に止めてもらうお願いをします。ポイントは、「決して注意しないこと」。駐輪場の場所を教える形をとり、自主的に移動してもらうようにしているのです。
まず、ベンチで放置自転車を防ぎ、それ以外の場所では声かけで対処する。効率的かつ絶妙な心理作戦で、今、放置自転車はほとんどなくなっています。
【専門家のワンポイント】
よく、放置自転車対策としてプランターや花壇を利用している場合がありますが、ベンチの方がより効果的です。その理由は、ベンチは「人が利用するもの」だから。「座れなくなる」など、他の人に直接迷惑がかかる行為はしたくないもの。その気持ちをベンチは上手に活用しています。プランターや花壇が、ベンチほど効果を期待できないのはそのためです。
妙案の舞台は、自由が丘駅の南側にある、グリーン・ストリートです。300mあるこの通りは、かつて1400台もの放置自転車が占拠していました。そのため、町のイメージを悪くし、自由が丘南口商店会の皆さんを困らせていました。
そこで商店会が考えたのが、「通りにベンチを置く」というアイデア。「たかが『ベンチ』でなぜ?」と思う人もいるかもしれませんが、ベンチには自転車を放置しようとしても、ベンチに座っている人の視線が気になり、容易に放置できなくなるという心理が生まれ、放置自転車を防ぐ効果があるんです。
それでも、ベンチのない場所に自転車を放置する人がいます。その場合は、商店会で声かけを行ない、駐輪場に止めてもらうお願いをします。ポイントは、「決して注意しないこと」。駐輪場の場所を教える形をとり、自主的に移動してもらうようにしているのです。
まず、ベンチで放置自転車を防ぎ、それ以外の場所では声かけで対処する。効率的かつ絶妙な心理作戦で、今、放置自転車はほとんどなくなっています。
【専門家のワンポイント】
よく、放置自転車対策としてプランターや花壇を利用している場合がありますが、ベンチの方がより効果的です。その理由は、ベンチは「人が利用するもの」だから。「座れなくなる」など、他の人に直接迷惑がかかる行為はしたくないもの。その気持ちをベンチは上手に活用しています。プランターや花壇が、ベンチほど効果を期待できないのはそのためです。
駐輪場に止めればトクする町
〜福岡市 天神地区〜
リポーター 玉ちゃん(浅草キッド・漫才師)
2つめの妙案は、5年前まで全国で一番放置自転車が多い町となっていた、福岡市天神地区からです。
しかし、この町が見事に放置自転車を減らしたのは、駐輪場で受け取る駐輪券を、商店の割引きクーポンとして利用できるようにして、自転車を駐輪場に導いたからでした。
駐輪券を持っていれば、駐輪場は3時間無料。さらに、ラーメンの替え玉が無料、映画館が300円割引き、商品が5%割引きなど、様々な特典が受けられるというものです。そのお得感が好評で、天神地区の主な駐輪場の利用率が、70%から90%近くまで上昇するなど、効果が現れ始めています。平成17年には、全国最悪の汚名を返上しました。
2つめの妙案は、5年前まで全国で一番放置自転車が多い町となっていた、福岡市天神地区からです。
しかし、この町が見事に放置自転車を減らしたのは、駐輪場で受け取る駐輪券を、商店の割引きクーポンとして利用できるようにして、自転車を駐輪場に導いたからでした。
駐輪券を持っていれば、駐輪場は3時間無料。さらに、ラーメンの替え玉が無料、映画館が300円割引き、商品が5%割引きなど、様々な特典が受けられるというものです。そのお得感が好評で、天神地区の主な駐輪場の利用率が、70%から90%近くまで上昇するなど、効果が現れ始めています。平成17年には、全国最悪の汚名を返上しました。
“もったいない”で放置激減
〜香川 高松市〜
全国で1年間にスクラップ処分される放置自転車は、実に100万台。これって、もったいないと思いませんか?この“もったいない”問題を解決し、放置自転車まで減らしたのが、香川県高松市です。ここでは、撤去して引き取り手のない放置自転車をスクラップにせずに、「レンタサイクル」として再生させる取り組みを行っています。
放置自転車を再生し、人々に貸す、「レンタサイクル」は、市内6か所にある駐輪場で、誰でも利用できます。料金は1日100円。返却は、6か所の駐輪場ならどこでも自由です。その便利さから、年間のべ26万人が利用するほどの盛況ぶりです。
この取り組みのねらいは2点です。ひとつは、1台の自転車を複数の人が利用することで、町を走る自転車の総量が減り、放置自転車も減らせるということ。もうひとつは、撤去された放置自転車をスクラップにせずに、有効に活用できるため、環境にも優しいということ。この取り組みを通して、高松の人々の中に、モノを大切にするという気持ちがあらためて浸透しつつあります。
放置自転車を再生し、人々に貸す、「レンタサイクル」は、市内6か所にある駐輪場で、誰でも利用できます。料金は1日100円。返却は、6か所の駐輪場ならどこでも自由です。その便利さから、年間のべ26万人が利用するほどの盛況ぶりです。
この取り組みのねらいは2点です。ひとつは、1台の自転車を複数の人が利用することで、町を走る自転車の総量が減り、放置自転車も減らせるということ。もうひとつは、撤去された放置自転車をスクラップにせずに、有効に活用できるため、環境にも優しいということ。この取り組みを通して、高松の人々の中に、モノを大切にするという気持ちがあらためて浸透しつつあります。