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旧日本軍工場の「旧令共済」、年金記録確認の申し立て急増

2月17日3時6分配信 読売新聞


 戦時中に旧日本軍の工場などで働いていた際の「旧令共済」と言われる年金記録の確認を社会保険庁に求める申し立てが、2007年度上半期(4〜9月)で2000件を超え、06年度1年間の約10倍に急増したことが16日、分かった。

 昨年、年金記録漏れ問題が起きたことがきっかけになったと見られる。旧令共済は厚生年金の加入期間に通算できる制度もあるが、十分に周知されてこなかった実態も浮き彫りになった。

 旧令共済は、旧日本軍の陸海軍の工場や朝鮮総督府と台湾総督府の事務組織で働いていた人たちが加入していた共済組合による年金。終戦で共済組合は解散し、「国家公務員共済組合連合会」に組織は継承された。また、1969年には、旧令共済の加入期間を厚生年金に通算できる特例が設けられた。

 しかし、旧令共済の加入記録そのものが、同連合会に引き継がれておらず、厚生年金に通算するには、厚生労働省や外務省などが保管する戦時中の人事資料で当時の職歴を探す作業が必要だ。職種や勤務形態によっては加入期間として認められないケースもあることから、同連合会で職歴を審査し、年金の受給権を認定している。

 ただ、05年度は申立件数は306件に過ぎず、このうち職歴が見つかったのは127件。06年度は206件の申し立てで、106件の職歴が分かった。

 ところが、年金記録漏れが社会問題化した07年度上半期は、申し立てが2003件に上った。旧令共済の加入期間の確認手続きは、社会保険事務所に「履歴申立書」が提出されてから、手作業で古い名簿から本人の人事記録を見つける。このため、確認には数か月から1年程度かかるが、06年度並みの比率であれば、1000件前後の職歴が分かる可能性もある。

 ただ、旧令共済に関する記録は、社保庁が管理する記録でないため、ねんきん特別便の対象になっていない。本人が申請しない限り確認されることはない。

 記録の持ち主の大半は80歳以上の高齢者であることから、年金相談に応じている社会保険労務士などから「制度を知らない高齢者がかなりの数に上り、広報が不十分だ」との指摘も出ている。

 このため、社保庁では、旧令共済に関する情報のさらなる周知徹底を求められることになりそうだ。

最終更新:2月17日3時6分

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