16日の英紙フィナンシャル・タイムズは、韓国ソウル大の研究者らが、米国の女性から、死んだペットの犬のクローンづくりを受注したと報じた。研究目的ではなく事業としてクローン犬をつくるのは世界初という。
価格は5万ドル(約540万円)。価格は本来15万ドルだが、初の受注であることと、女性が注文の公表に応じたことを考慮し値引きしたという。順調に進めば、10月にも誕生する予定だ。
研究者らのクローン犬事業化を支援している韓国企業の責任者は「今後は麻薬や爆発物探知の捜索犬で注文が増えるだろう。年産500匹を目指したい」と語った。
クローン犬づくりを手掛けるのは、2005五年に胚(はい)性幹細胞(ES細胞)に関する論文の捏造(ねつぞう)が発覚した黄禹錫元教授が所属していたチームの研究者ら。ヒトのクローン胚から世界で初めてつくったとしたES細胞は偽物とされたが、別に成功を発表していたクローン犬は本物だった。
今回の対象は米国産テリアで、飼い主の女性は障害で歩行が困難になっており、生活の手助けにもなるため、クローンづくりを強く希望していたという。(共同)
毎日新聞 2008年2月17日 8時32分