内視鏡手術の縫合などが体験できる機械を操作する参加者たち
信大病院(松本市)の地域医療人育成センターと県は16日、「女性医師キャリア形成支援セミナー」を松本市の信大旭町キャンパスなどで初めて開いた。県内に住む非常勤の女性医師ら16人が参加。最新設備の教育研修施設を見学、女性医師を取り巻く問題についても話し合った。
医師不足が深刻化する中、出産や結婚で離職した女性医師に職場復帰を考えるきっかけにしてほしいと企画。参加者は同病院先端医療教育研修センターで、静脈注射や内視鏡手術の感覚を養う機械を体験した。週1日働く市内の小林桂子さん(38)は「職場復帰の時に感じた技術面の不安を取り除く上で、効果があると思う」と話した。
意見交換では、女性医師からそれぞれの現場について「託児所が整備されていない」「常勤医の勤務自体が過酷で、女性医師の子育てまで支援する余裕がない」などの声が上がった。
地域医療人育成センターの桜井晃洋准教授は「今後は復帰を控えた女性医師の技術研修を受け入れる医療機関を探すなど、コーディネーターの役割も強化していきたい」と話した。