医師確保対策など共通の課題について話し合う真鍋知事(左端)ら4県知事=高知県高知市、高知県立牧野植物園
四国の将来像について語り合う4県知事会談が16日、高知市の高知県立牧野植物園であった。各知事は厳しい財政事情を訴えながら、医師確保対策や観光振興などの共通課題について、連携して取り組んでいくことを申し合わせた。
知事会談は、4県のNHK放送局と四国新聞社など地方紙四社が共催。香川の真鍋武紀知事をはじめ、徳島・飯泉嘉門、愛媛・加戸守行、昨年12月に就任した高知・尾崎正直の各知事が出席した。
全国的に医師不足が社会問題となる中、四国内でも産科や小児科の医師確保が困難になっている。こうした現状を踏まえ、国に抜本的な対策を求める一方、4県が協力してできることを模索。4県の大学、医大と連携し、医師が足りない病院には県境を超えて派遣する「ドクタープール制」(加戸知事)が提案され、今後検討していくとした。
観光振興では、来年度に瀬戸大橋開通20周年など多くの記念事業を迎える真鍋知事が意気込みを語りながら、「四国の観光を一つと考え、四国ブランドとして一緒に売り出すことが大切」と強調。また、昨年の10万人当たりの交通事故死者数ワースト10位内に、4県すべてが入っていることに触れ、「これでは観光振興に支障が出る。連携して対策をやっていきたい」と呼び掛けた。
このほか、地球温暖化防止や水源涵養(かんよう)などに重要な役割を持つ森林の保全に向け、民間資金を呼び込むシステムを考案するなど、4県共通の取り組みを実施していくことを提案。都市と地方の格差問題や人口流出問題についても活発に議論した。