東芝が新世代DVD規格「HD DVD」の再生機や録画再生機などの生産を終了する方向で最終調整していることが16日、分かった。今月中にも正式決定し発表する。数年間にわたり続いてきた「ブルーレイ・ディスク(BD)」との規格争いはBDの勝利で決着する見通しとなった。
新世代DVDは東芝などが推進するHDとソニーや松下電器産業などが推進するBDの2規格が併存してきたが、小売り世界最大手の米ウォルマート・ストアーズがBDの商品のみを取り扱うことを決めるなどHD劣勢が決定的となっていた。
東芝は青森県で行っているHD関連の機器生産を近く終了する見通しで、今後は新型機の開発なども行わない。撤退費用は数百億円に上る見通しだ。
最大市場である米国では、新世代DVDのソフト販売の約8割をBDが占めるなどHDを圧倒している。両陣営に作品を供給してきた映画大手、ワーナーブラザースも1月初旬にHDからの離脱を表明。消費者や流通業界のBDシフトの動きが相次いでいた。
HD DVDはDVDの新規格。BDと同様に青紫色の半導体レーザーを読み取り用部品に用いているため、大容量の書き込みが可能だ。ただ、BDより書き込み容量が劣ることやソニーが新型ゲーム機「プレイステーション3」に再生機能を搭載したこともあって、「HD離れ」に歯止めをかけられなかった。
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