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C型肝炎陽性4割 南空知・人口2000人の地区 注射器の消毒不十分?(02/14 06:43)空知管内南部の自治体の人口約二千人の地区で、C型肝炎ウイルスの陽性率が四割と推定されることが、札幌緑愛病院(札幌市清田区)の研究グループの調査でわかった。消毒が不十分な注射器の使用が原因とみられ、不明な部分が多いC型肝炎の感染ルート解明の手がかりとなりそうだ。十六日に札幌市で開かれる日本超音波医学会道地方会で発表する。 研究グループは、同地区に肝がん患者が多い点に注目。二〇〇六年十一月から〇七年十月にかけて、輸血歴のない二十−八十代の百七十九人を対象に調査した。血液検査でウイルスの抗体を調べたほか、かかりつけの医院や感染源を聞いた。 その結果、陽性は38・5%。この中には感染者のほか、過去に感染し、治癒した人も含まれる。研究グループによると、地区の年齢構成や男女比などを考慮した疫学調査のため、実際とほぼ同じ傾向がみられるという。 厚生労働省が一九九五−二〇〇〇年に初めて献血した全国三百四十八万人を対象にした調査では、陽性率は0・5%だった。 同地区には戦前、戦後通じ三つの医院があったが、A医院(一九三六年から八一年まで開業)で受診歴のある人の陽性率は70・4%と飛び抜けて高かった。また、A医院で疲労回復や神経痛に効果がある成分を含む「ホット注射」を受けていた人の86%が陽性だった。 聞き取り調査では「A医院はお湯ですすいだだけの注射器を使っていた」「A医院は往診の時、ほとんど消毒せずに注射していた」などの証言が寄せられた。 A医院が開業時、医学界では注射器は使用するたびに、一〇〇度の湯で十五分間、煮沸消毒することが奨励されていた。同グループは「調査対象者は輸血による感染は考えられない。A医院の煮沸が不十分で、注射器に残ったウイルスが死滅せずに他人にうつったのでは」とみている。 C型肝炎の原因の四割は輸血や血液製剤とされるが、B型を含め、予防接種の際の注射の回し打ちも指摘されている。札幌緑愛病院の美馬聡昭副院長は「注射で感染した人が献血し、その血が輸血に使われ、被害が拡大した可能性がある。他地域にも同様の例があるはずだ。医師のモラルとともに、不衛生な実態を放置した医療行政も責任が問われるのではないか」と話している。 |
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