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石綿:使用報告ないトレモライト検出…東京など14施設

 アスベスト(石綿)のうち毒性が強いが、生産量が少なく国内では使われていないとされてきたトレモライトが東京都、横浜市、千葉市、新潟市の公共施設12カ所と民間施設2カ所の計14カ所で検出されていたことが13日分かった。特に断熱・吸音材の「ロックウール」などに高濃度で含まれており、広く使われてきた可能性もある。地方自治体は総務省や文部科学省の依頼でアスベストの使用状況を調査してきたが、多くはトレモライトを調査対象としてこなかったとみられる。総務省は、トレモライトを含めた調査の検討を始めた。

 国内では、悪性中皮腫など発がん性のある白石綿と、より毒性が強い茶石綿、青石綿の使用が知られてきた。トレモライトは茶石綿や青石綿と同じ角閃石(かくせんせき)族で、毒性も同様に強いとされる。

 トレモライトは05年以降、東京都中央区の保育園の機械室天井に吹き付けられたロックウールから53%の濃度で検出。横浜市の中央卸売市場の機械室のロックウールやモルタルの2カ所にも30~50%の高濃度で混合していた。このほか、東京都墨田区の4小中学校の音楽室や給食室天井など計6カ所▽同千代田区の旧庁舎天井▽千葉市の競輪場の機械室▽新潟市の旧庁舎廊下の天井でも確認した。05年以降に確認されたが、いずれも既に撤去されるなど、影響が及ばない状態という。

 このほか、東京都区部の民間ビルのロックウール吹き付けや配管からもトレモライトが検出された。【大島秀利、足立旬子】

 ▽東京労働安全衛生センターの外山尚紀さん(作業環境測定士)の話 トレモライトは、これまで国内では使われていないというのが業界の「神話」だったが、意図的に輸入されて使われた可能性が強い。政府は合理的で見逃しのない測定方法を確立すべきだ。

毎日新聞 2008年2月14日 2時30分

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