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北朝鮮、記録提出応じず プルトニウム申告で難航
北朝鮮が核計画申告問題で米国に対し、これまでに抽出したプルトニウムの量を約30キロと説明したものの、詳細な製造記録などの提出に応じず、米朝協議が難航していることが16日分かった。ニューヨークの複数の外交筋が明らかにした。
昨年2月の6カ国協議合意から1年以上が経過。同年10月の合意で北朝鮮は同年末までの「すべての核計画申告」を約束したが、期限までに履行しなかった。米朝間の駆け引きが続いているが、さらに遅れることは確実になった。
同筋によると、申告をめぐる協議で北朝鮮は昨年12月、プルトニウムの量を約30キロと説明。米側は当初の推計値よりはるかに少なかったためプルトニウムの抽出や保管場所、稼働記録など詳しいデータの開示を求めたが、今年1月の協議でも提出しなかった。このため協議が進展しない状態が続いているという。
米側はプルトニウムの量について「30キロも50キロも推定の範囲内」(ヒル国務次官補)とこだわらない姿勢を示しているものの、北朝鮮の示した数値が米側の当初推計値とかなりの隔たりがあったため、検証が必要と判断したとみられる。
また、米側は「すべての核計画申告」のためにはプルトニウムや濃縮ウランなど核物質の正確な申告が優先するとして、現時点で北朝鮮側に核兵器などの情報は要求していないという。(共同)