米兵女子中学生暴行事件後初めての週末となった15日深夜、事件の発端となった沖縄市内の繁華街では娯楽を求めて繰り出す米軍人らの姿が見られた。この日は米軍の給料日「ペイデー」。普段なら米軍人が頻繁に行き交うが、この日はまばら。今回の事件への日米両政府の対応や相次ぐ県民の抗議について質問すると、米兵のほとんどは「敏感な問題なのでノーコメント」などと口をつぐんだ。事件について「恥ずかしいことだ」と怒りを口にし、夜間外出禁止などに関しては賛否さまざまな反応を見せた。
米兵の人通りが少ないことに、焼き鳥の屋台の店主は「事件の影響だろう」と嘆いた。
通りを歩いていた空軍の男性(24)は「多くの米国人が事件に怒りを感じている」とし、米軍上層部の「兵士教育の徹底」の方針については「いいことだ」と賛同。ただ「外出が禁止になったりしたら『自分は犯罪をしていない』と納得しない兵士もいるだろう。まだ若いし週末は外で遊びたい」と本音ものぞかせた。
16日午前零時ごろナイトクラブにいた空軍の男性(24)は「事件が起きてしまい、教育の徹底や外出の制限はやむを得ない。でも、せっかく沖縄に来たのだから人々と触れ合いたいし、暮らしも知りたい。沖縄の人はフレンドリーだから複雑な心境だ」と話した。
「日本人も罪を犯す。米軍人の犯罪にだけ大きな反応をするのはおかしい」と不満を述べたのは、同じく空軍の若者(24)。「(容疑者が)日本の法律でどう裁かれても構わないが、一部の米軍人が罪を犯したからといってほかの米軍人が行動を制約されるべきではない」とも述べた。
基地内で働くという米軍属の男性からは「わたしたちにとって悪く、悲しい事件だ」「(容疑者は)最低のアメリカ人だ」との非難の声も。
一方、15日午後9時半ごろには、蛍光色のベストを着た沖縄市内の教員、PTAでつくるパトロール団体のメンバー5人が見回りに現れた。毎月第3金曜日にいくつかのグループに分かれ未成年者に声を掛けるという。参加者によると、この日は市内全域で総勢120人が巡回。繁華街を制服姿で歩く中学生を見つけると「中学生?」と声を掛け、帰宅を促していた。
この日はベレー帽をかぶり3人組でパトロールする海軍の職員も午後11時すぎまで通り周辺を見回った。車道には赤色灯を点灯させた県警のパトカーが走るなど、事件の余波を感じさせた。
(島袋良太、増田健太)
(2/16 16:04)