50歳を超えてから毎年受診している大腸がん検査で初めて「陽性」と判定された。「わが人生もこれまでか」と一時はショックを受けた。ところが「案ずるより産むがやすし」。今月1日の内視鏡検査で見つかった結腸粘膜の異常突起、つまりポリープを切除した。15日の診断結果で「良性でした」の医師の一言でたちまち気分壮快、食欲も増した。
残る不安材料は「老年症候群」だ。物覚えが悪くなったのが気がかりで、朝霞市が市民に配った08年版「くらしの豆知識」を読んだ。年齢を重ねると、身体能力や精神機能がある程度低下するが、何もしないでいると、知らないうちに心身が衰える症状を指すとあった。介護予防には、1に運動、2に栄養、3に口腔それぞれの改善という。そう言えば、転びやすく、食事が偏り飲み込みが悪くなった。今の自分は、むしろ、がんより恐ろしい。【藤川敏久】
毎日新聞 2008年2月16日