[一家４人死傷]地主と借地権巡りトラブル　東京・足立

　東京都足立区の工作機械販売業、佐々木亨さん（５２）方で佐々木さん夫妻ら一家４人が死傷した事件で、佐々木さんが事件発生の３日前、自宅・倉庫の借地権の売買契約を結んだ不動産会社に「地主が契約を認めないと言っている。契約がなくなってしまうのでしょうか」と不安を漏らしていたことが１５日、分かった。警視庁は事件の背景に、地主との借地権を巡るトラブルがあるとみて調べを進めている。

　関係者によると佐々木さんは５日、借地権を計４８００万円で売り渡す契約を結んだ。不動産会社が倉庫の地主に契約成立を手紙で通知すると、８日朝に地主が佐々木さん方に来て「借地権の更新料の問題も解決していないのに、そんな契約認めない」と怒鳴り込んだという。

　佐々木さんは不動産会社に電話で相談し、契約の有効性を確認した。しかし佐々木さんは、借地権を巡り父親の代から地主ともめており、地主の態度を恐れていたという。地主側は「取材には応じていない」と話している。【古関俊樹】