政府は15日、少子化対策の一環として、保育所の受け入れ児童数を拡大する「新待機児童ゼロ作戦」をまとめる方針を固めた。夜間保育や在宅保育の拡充など、保育サービスの多様化を支援する。全国で1万8000人(07年4月現在)の待機児童を解消する新たな中・長期的計画を2月中に公表する。
待機児童ゼロ作戦は01年に当時の小泉政権が保育所の受け入れ数増を設定。04年度までに15万6000人分増えたが、都市部では依然として待機児童数が減らないと指摘されていた。
これに関し福田康夫首相は15日、資生堂が開設した保育施設「カンガルーム汐留」(東京都港区)を視察。記者団に「保育所整備の必要性を感じた。子供ができたら仕事を辞めなければならないということではいけない」と強調した。
新計画の背景には、人口が減りつつある日本で、女性の労働力確保が不可欠になっている事情がある。
政府の経済財政諮問会議は同日、御手洗冨士夫日本経団連会長ら民間メンバー4人が、人口減でも経済成長が持続できる「新雇用戦略」の策定を提言。女性の労働参加を高めるには子育て支援策拡充が必要と指摘し、小学校低学年(8歳)までの子供の保育所や学童保育などのサービスを2010年代半ばまでに計200万人が受けられるよう求めた。厚生労働省と文部科学省に分かれている子育てサービス行政の一本化なども訴えた。【三島健二、与那嶺松一郎】
毎日新聞 2008年2月16日 東京朝刊