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【社会】

赤ちゃん救った130キロ命のリレー  出生直後に搬送、心臓手術

2008年2月16日 朝刊

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 15日未明、生後間もない男児が福井から富山までの約130キロを救急搬送された。吹雪で規制された北陸自動車道を福井、石川、富山の3県警高速隊のパトカーがリレー方式で救急車を先導。男児は無事手術を終え快方に向かっている。

 14日午後8時5分ごろ、男児は福井市の県立病院で産声を上げた。エコー検査で、肺からの血液が心臓へ正常に流れない先天性の「総肺静脈還流異常症」と分かり、医師は緊急手術が必要と判断。専門医のいる富山市の富山大付属病院へ搬送を決めた。

 15日午前零時40分ごろ、福井市消防局から救急車が出動。吹雪がひどいため消防から協力要請を受けた福井県警高速隊も先導役を快諾した。

 午前1時10分に男児と父親、医師2人、看護師を乗せて病院を出発。高速隊のパトカーは福井北インターで合流し、赤色灯を回して先導した。路面は雪で真っ白。凍結の恐れもあり、全線50キロ規制が敷かれていた。

 福井県警の手配で、県境を越えた加賀インター近くの高速上で石川県警高速隊のパトカーが待ち受けて先導役を交代。さらに富山県に入った小矢部川サービスエリアで富山県警のパトカーへ引き継いだ。高速を無事に導かれて救急車は午前4時半すぎ、富山大付属病院へ到着。すぐに手術が始まった。

 先導役を務めた石川県警高速隊員は「吹雪で急ぎたいが急げず、もどかしかった」と振り返り、手術が無事に終わったのを知ると「とにかく良かった。元気に育ってほしい」と願った。

 

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