中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、千葉、兵庫両県で被害の出たギョーザから検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」について警察庁科学警察研究所が詳しい成分分析を行ったところ、不純物が含まれていることなどの特徴から、混入していたのは農薬として使用されるメタミドホスと断定した。中国でも使用は禁止されているが、現在も農薬として広範に流通していることから、中国国内で混入された疑いがさらに強まった。
メタミドホスは日本では試薬として研究機関などに保管されているが、純度が99%以上で成分分析をしても不純物などは検出されない。一方、農薬として使われるメタミドホスは通常不純物が含まれているため、検出されたメタミドホスは農薬として使われるものであることが分かった。
科警研は、両県で検出されたメタミドホスが同一かどうかについても分析を続けている。しかしメタミドホスは成分の劣化が激しい特徴があることなどから、同一かどうかの鑑定は難航している。
一方、中国国家品質監督検査検疫総局の魏伝忠副総局長は13日、「生産から輸出までに異常はなく、人為的な破壊の可能性は存在しない」と述べている。【遠山和彦】
毎日新聞 2008年2月16日 2時30分