1934年
“Kwanon”カメラ試作時につけられた
観音様をモチーフにした彫刻。
鮮やかな赤で表現されるキヤノンロゴは、今では世界中の人々に親しまれていますが、現在のロゴになるまでには、いくつかの変遷がありました。
1933年に精機光学研究所を設立したとき、初代のカメラの試作機が、「KWANON(カンノン)」と名づけられました。この名前は、観音様の御慈悲にあやかって、世界一のカメラを創る夢を実現したいとの願いを込めたものでした。そのマークには、千手観音が描かれ、火焔をイメージしたKWANONの文字がデザインされていました。
やがて、カメラの本格発売開始に向けて、世界で通用するブランド名が必要になりました。そこで、1935年に「キヤノン」(Canon)という名称を、商標として登録しました。Canonには「聖典」「規範」「標準」という意味があります。正確を基本とする精密工業の商標にふさわしく、世界の標準、業界の規範となるよう意味が込められています。またキヤノンは、発音もカンノンに似ており、名称の交替は違和感なく行なわれました。