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一家4人死傷:経営難から借金 借地権を売却 東京・足立

 東京都足立区の工作機械販売業、佐々木亨さん(52)方で佐々木さん夫妻ら3人が死亡し、都立高1年の次男(15)が重体で発見された事件で、佐々木さんが借金を抱えていたことが分かった。警視庁捜査1課は事業不振などから金銭面で追い詰められた佐々木さんが家族を道連れに無理心中に及んだとの見方を強めている。

 調べでは、佐々木さんは約35年前から父親の後を継ぎ、自宅1階作業所で中古工作機械の販売業を営んできたが、近年は不振が深刻化。借金を抱えるようになったという。

 2~3年前からは月数百円足らずの自治会費も滞納するようになったといい、担当者が催促に出向くと「自治会をやめる」と言われたという。

 一方、佐々木さんは5日、自宅の借地権を都内の不動産会社に約4000万円で売却。手付け金として同日、400万円が振り込まれていたことも判明した。

 同社によると07年10月に売却を持ちかけた際「高く売れるなら売ってもいい」と答えたため、相場として2500万円という額を示した。しかし佐々木さんは4000万円を求めたという。担当者には「仕事は開店休業中だったので、これで辞める踏ん切りがついた」とさばさばした表情で話していたという。

 しかし、佐々木さんは大学受験中の都立高3年の長男(18)の学費など今後の生活にも不安を抱えていたとみられる。捜査1課は借地権の売却だけでは解決できないと将来を悲観したとみている。

 この事件では11日午後、佐々木さんと母得子さん(85)、妻和子さん(49)の3人が頭を切られるなどして見つかった。次男が病院に運ばれる途中「おやじにやられた」と話し、佐々木さんが書いたとみられる遺書も発見されている。【川上晃弘、佐々木洋、古関俊樹】

毎日新聞 2008年2月13日 2時30分 (最終更新時間 2月13日 8時35分)

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